瀬良薫

ぴかぴかと脱毛美肌夢あれと街はあかるい病みしときでも

ココアとコーヒーで向き合って君と語ろうあまくて苦い嘘を

思い出したように口づけるコーンスープあの日と同じ距離感

紙パックのミルクティー昼休み限定あの子専用のマイク

シャンプーのボトルを詰め替えられるような関係でいたいと思う

舞い上がるカーテン真上に大口開けては戻るクジラみたいで

この部屋にすっぱい葡萄はありません鼻先にある冷えた髪

片隅で猫背を焦がすあの人の苦しげな眉を知っていますか

僕らまだ青い空には届かない泡吹いたローファー投げつける

こんにちは口に含んだ砂糖菓子いちねんまえにきえた春を探して

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