
羹鱠


いとせめて 恋しき妹を ぬばたまの 夜の森にて 栢眺めむ

寒空の 風うつ雲の きよければ 妹抱きたり 朝のお布団

空も葉も 色かはれども 金色の 花ノ衣に 時なかりたり

ひさかたの そら差し仰ぐ 小春日に 辻にかをらる 椿のそより

あな恋し ひと目逢ふたが 忘れじと みなも波打つ わが身なるかな

夕暮れに 思ひけるかな 明けぬれば つとめて響く 冬の足音

明けぬれば またふりゆくや いとせめて 君の千代にぞ とり添へむかな

雪化粧 ふるも消ゆるか 然れども 八重の思ひに 限りはあらじ
