羹鱠

羹鱠

八夜に照る 重ね咲きたり 沢花火 名を掻い消つとも 取る手は常し

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羹鱠

いとせめて 恋しき妹を ぬばたまの 夜の森にて 栢眺めむ

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羹鱠

寒空の 風うつ雲の きよければ 妹抱きたり 朝のお布団

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羹鱠

空も葉も 色かはれども 金色の 花ノ衣に 時なかりたり

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羹鱠

ひさかたの そら差し仰ぐ 小春日に 辻にかをらる 椿のそより

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羹鱠

あな恋し ひと目逢ふたが 忘れじと みなも波打つ わが身なるかな

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羹鱠

夕暮れに 思ひけるかな 明けぬれば つとめて響く 冬の足音

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羹鱠

明けぬれば またふりゆくや いとせめて 君の千代にぞ とり添へむかな

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羹鱠

雪化粧 ふるも消ゆるか 然れども 八重の思ひに 限りはあらじ

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羹鱠

栢木に ふるも消ゆるを 数へつゝ 君が齢とありかずにせん

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