
鈴木精良


逝くひとは数なんかじゃないこの夜に広がる星のすべて瞬き

モンシロチョウふわりふわりと笑ってるゆうべ破いた手紙みたいに

みずいろの空と溶けあうネモフィラのみんな忘れてゆれている風

まっさらでまだ見なれない西暦が手になじむまでの、ほんの一年(ひととせ)

手づかみでゆるされていた頃があり、崩すピンクのバターケーキを

わが家にもキッチンにずっと象がいてお湯をぬくめるやさしいお仕事

春には春の 冬には冬の きみに会うそのためだけのわたしがいます

ほどいたら時は零れて制服のリボンが描くやさしい無限
