鈴木精良

鈴木精良

パノラマの水平線の弧のように、離れてわかる優しさのこと

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鈴木精良

逝くひとは数なんかじゃないこの夜に広がる星のすべて瞬き

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鈴木精良

モンシロチョウふわりふわりと笑ってるゆうべ破いた手紙みたいに

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鈴木精良

みずいろの空と溶けあうネモフィラのみんな忘れてゆれている風

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鈴木精良

まっさらでまだ見なれない西暦が手になじむまでの、ほんの一年(ひととせ)

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鈴木精良

手づかみでゆるされていた頃があり、崩すピンクのバターケーキを

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鈴木精良

わが家にもキッチンにずっと象がいてお湯をぬくめるやさしいお仕事

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鈴木精良

春には春の 冬には冬の きみに会うそのためだけのわたしがいます

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鈴木精良

ほどいたら時は零れて制服のリボンが描くやさしい無限

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鈴木精良

仄暗(ほのやみ)の背中は砂丘つめたくて心のありかへ辿れなかった

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