老いふたつ語るでもなくひなたぼこ 猫を間に今日も生きてる
題『ささやか(テーマ詠)』 にて
夜を哭くピエロのような恋女 鵺の背に乗りお百度参り
題『夜』 にて
おくれ毛を鏡に映し髪を梳く 夜の帳に恋の夢魅せ
題『夜』 にて
恋さえも傘を欲しがる秋の雨 ひとり上手に片肩濡れる
題『自由詠』 にて
認めたくなかっただけでかわいい嘘 背伸びしていた十六の恋
付句『認めたくなかっただけで』 にて
庭先で秋刀魚焼いてる炭火かな 遠きあの日の切りとり画像
題『自由詠』 にて
おぼろげな目覚めの朝の病床に 今日も生きろと怖いささやき
題『生』 にて
四畳半ひと間を愛の巣箱だと 脆く崩れた遠き青春
題『部屋(テーマ詠)』 にて
ミルの音粉の香りに朝の湯気 琥珀の誘いマグカップふたつ
題『朝』 にて
合鍵を添えて書き置くさよならと あなたが壊した心の鍵
題『書』 にて
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