春雷とあられ降りて桜がつぼみ咲かそうと首を長くす
題『自由詠』 にて
実家の玄関先で振り返ればわれ見送る母のまなざし
題『送』 にて
卒業の記念品まんじゅうが紅白からひよこに変身
題『卒』 にて
もし君と20代に会っていなければ今われの隣りは君じゃない
題『もし』 にて
スカイツリー見える交差点人力車旅行者が数多行き交う
題『行』 にて
ありがとう言いたいけれど口を開くとすみませんばかりいうわれなりて
題『ありがとう』 にて
わが町のペットカフェはいろいろな国のお客で大繁盛
題『動物を読み込んで』 にて
演劇は生もの演者と観客一体感が生まれる空間
題『生』 にて
父の最期家族に見せたうれしい顔は言葉を超えてすべて物語る
題『言』 にて
坂道に囲まれて暮らし早3年坂からの夕陽筆舌難し
題『坂』 にて
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