真っ白なヨーグルトに琥珀色の 蜂蜜たらす老いが遠くから
題『白』 にて
「あの時」と娘に言われ消え落ちた 記憶はないまま 大好きなのに
題『消』 にて
連弾をする少女らはうっとりと 聞き惚れたような野良猫を見た
題『よう』 にて
姑と舅の中で我は急く姫様のごとく しっとり居る義姉
題『急』 にて
師走前より急く気持ちXmas越え お年玉数う
題『急』 にて
姪からの泡の洗顔手のひらに 香り優しく逢いたさつのる
題『手』 にて
初めて見た雪白に光る月山を また語りたい息子二人と
題『冬(テーマ詠)』 にて
お台場に向かうバスの中胸押さえ 涙が伝う花嫁の母
題『場』 にて
肩に触れ旋回してゆく赤とんぼ 姿を変えたシャイな亡夫よ
題『触』 にて
封筒にメモ書きもない二千円 記憶は今日も曖昧に過ぐ
題『今・いま』 にて
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