泣きべそにへそ曲げたりと手のかかる血を継ぐ天使ら愛惜しみなき
題『使』 にて
そら豆の天ぷらはまり吾少なと二日後気付く仏様の上
題『食べ物を読み込んで』 にて
鶏頭は背丈低く立ち赤々と心優しくなれた 夕暮れ
題『頭』 にて
唐突に娘犬買ってあげらんと息子首横に 夢は終章なり
題『夢』 にて
寂しさは底なしだからと高価なバック買付 迷路にはまった夏
題『高』 にて
朝お題は「紅」すぐ詠みて眼鏡とおし 知るお題に耳まで染まる「赤」
題『赤』 にて
せがまれて描いた青空に少年足すは赤いクレヨン太陽三個
題『赤』 にて
久々に薄桃色の紅をさす「どこ行くの?」 と幼子見抜けり
題『赤』 にて
消しゴムでなかったことになどできぬ 人生バラ色 時に灰色
付句『消しゴムでなかったことに』 にて
垣根越し九十一歳お隣さん朝ドラの声流れて健やかに
題『朝』 にて
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