回文短歌

秋鵠空(さとあき)

洋傘で黄昏水に溶かす接吻 かどに菫が育てる空は

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秋鵠空(さとあき)

パラソルでたそがれ見ずにLe Painパン!春にスミレが育てる空は!

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秋鵠空(さとあき)

洋日傘ふと 九段の風の遠い恋音乗せカノン指揮棒振る空は

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秋鵠空(さとあき)

咲く草の名はこそ知らね見せるある 背峰らし其処花の咲く草

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秋鵠空(さとあき)

春風は高嶺らし其処ゆきて果て 消ゆこそしらね肩馳せ離るは

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秋鵠空(さとあき)

月昇る 舳が匂ひ立つみな履けば 波伝ひ帆に帰る帆の来つ

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袴田朱夏

花 慈雨の手は昼下がり沐した詩 曇りが去る日、果ての氏名は

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秋鵠空(さとあき)

薄きむね 逆さの地平どこに、手に、弧と言へ血の差重ねむ奇数

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秋鵠空(さとあき)

薄き胸 探す期待と素なる有る 謎解いた接吻(キス)重ねむ奇数

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秋鵠空(さとあき)

みるたびに小刀吞みし仲果てては 悲しみの鉈過去にひたる身

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