栢森エマ

羹鱠

ふる森に あな色めかし まつ文に ましろの手毬 君にあるかな

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羹鱠

新しき 白羽の君に ふく風を 遠きしるしと いづこぞ眺むる

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羹鱠

相思ひ 君の食らひて 近けれど 逢ひあたはずと 彼方に住まはむ

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羹鱠

あな恋し 寒しと求む わが身さへ 思ひぞ求むる 春過ぐれども

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羹鱠

明けにけり 君の白羽の きよければ 影みし水も きよらなりけり

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羹鱠

雪に咲く 森の椿に 添ふるなら 君にぞあはむ あけの晴れ衣

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羹鱠

筆をとり 年の輪ひとつ また加え 君の歩みと ゆく我が身かな

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羹鱠

鳴き涼む 夜風も虫も なにせんと 相居る君の 心にかかる

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羹鱠

忘れじと 時ゆきにけり 白羽根を けふかぎりの わが身なるとも

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羹鱠

東風に聞く 萌ゆる草木 うちつけに 白羽にまとう 桜花の衣

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