字寺宵

戦争の後に位置する今日という日を「戦前」にさせないために

サイダーはこの世でいちばん透明だごめんね今は話しかけないで

人生の追伸二度と会うことのないあなたこそ初恋でした

それがあるから生きれるってものがある戸棚のポッケのナイフひと振り

家族にはなれずじまいの初盆にあなたが見える陽炎のむこう

結局は言い分通せる気でいるねよく動く喉仏を見やる

夕暮れの波が押し寄せ沖合へ孤独はこんなに楽しかったの

新作のフラペチーノが気になって床を転げる自宅療養

命という概念そのままいただきます真夏のおやつにゆでたまひとつ

あっけらかん見て見ぬフリの白い雲タマネギ臭い日曜終われ

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