幾万の星を集めた夜空より黒く澄みたる君がまなざし
題『万』 にて
雨上がり雫を乗せた紫陽花の葉っぱの裏を這うカタツムリ
題『上』 にて
人生は答えの出ない問いの海 溺れ藻掻いて前へと進む
題『答』 にて
しぼりたてオレンジジュースを飲みほして窓を開ければ初夏の風吹く
題『飲』 にて
いつからか君の背中を見失い緑の森にひとり彷徨う
題『みどり・緑』 にて
緑なす故郷に帰るすべはなくせめて開くはグーグルマップ
題『みどり・緑』 にて
文鳥は紅いくちばしツンとして老いたる母の手に乗り遊ぶ
題『色を読み込んで』 にて
語り部の車椅子押す少年の目元涼しい長崎の夏
題『語』 にて
ようやくに我が家をねぐらと定めたか野良の仔猫はソファに眠る
題『定』 にて
遠足で家に忘れたお弁当届けてくれた祖母の微笑み
題『遠』 にて
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