ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『色を読み込んで』
プリズムで色なき心透過させ七つの色を手に入れる朝
題『演』
同窓会 幸せ演じて息つまり 一人抜け出し夜風に当たる
題『ユニクロ(テーマ詠)』
夕立に急ぎ駆け込む服の森棚に広がるフリースの虹
題『切』
生まれ来る赤子の服のタグを切る 優しき君はとっくに母よ
題『一』
「淋しいな」ポロリこぼれる一人言 寒い部屋には聞く人もなく
題『記』
別れ来て記念のように夕焼けが冬の窓辺を赤く染めゆく
題『たまご』
朝食はいらないと言う僕の手に母が持たせた ゆでたまご一つ
題『家』
ドア閉まり手を振る父母と菜の花と育った家の遠ざかりゆく
題『切』
切なくて眠れぬ夜は思い出を ゆりかごにして少しまどろむ
題『遠』
沈む日の早きをおもうこの夕べ暑さの記憶はすでに遠のき
題『色を読み込んで』
濃い黒と深い紺との境目を彷徨いながら畳む靴下
題『色を読み込んで』
枝先に薄茶の枯葉ゆらゆらとどこに手招く夕暮れの時
題『月』
盃に冬の満月閉じ込めて 呑み干す腹の暖かさかな
題『月』
傷口のような三日月冷え冷えと闇に震える裸木の枝
題『たまご』
コンビニのたまごサンドとミルクティ独り占めする海と夕陽と
題『動物を読み込んで』
リード持つ 老父の足を気づかって ゆっくり歩く寡黙な柴犬
題『君』
君らしくないねと言われ私ってなんだろねって月を見上げる
題『歌』
校庭も校歌もしっかり覚えてるあの学校がもうないなんて
題『演』
演奏が途切れるように去った人思い出しつつ歩く雪道
題『みたい』
破り捨てた手紙みたいにハラハラと白く寂しく雪が落ちくる
題『ユニクロ(テーマ詠)』
これ着ても綾瀬はるかになれないとわかっていながら買うブラトップ
題『切』
空っぽの部屋にさよなら君の待つ東京行きの片道切符
題『止』
ねぎを切る手を止め窓の外を見るぎしぎし家を鳴らす北風
題『止』
正しさに ほんの少し 遠いから 一を引いて 止まるになるの
題『止』
風は止み 空から舞い散る初雪を 君に知らせる冬の愉しみ
題『自転車(テーマ詠)』
自転車のカゴに置かれた麦わらの帽子そのまま秋となりたり
題『自転車(テーマ詠)』
ねぇ連れて行ってとひらり舞い降りる銀杏の葉っぱ前カゴの中
題『遠』
行く当てのないため息を受け止めて遠くで歌う海鳥の群れ
題『差』
休んだ日会社の前の交差点どんな顔して通るべきかと
題『互』
夕暮れに二人の鬼が現れて互いの影を踏みあっている
投稿の多い歌人