塩本抄

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教室を出ていった吉岡くんの翻訳をする役得と罪

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遠足のしおりみたいに近況を揃えて夜と君を待ってた

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塩本抄

ゴミ出しの帰りに空を吸う 母と離れなければならないと思う

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この星で美しさとはなんだろう 記憶の端に朝露ひかる

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雨薫る月命日に少しだけ新聞記事を丁寧に読む

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もやひとつずつ手触りを確かめてから雲にする 電話をかける

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「7ヶ月」サジェストされた闇があり (うちも夜泣き)と灯りを燈す

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みどり児がいのちいっぱい泣いていて微笑みが咲くスーパーの隅

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「あたしたち、あんなに死にたかったのにね」友白髪叶う特養ホーム

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湯舟から九十九の先にある名前のない世界に触れさせて

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