塩本抄

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あの象は乗れるかと問う子の髪にそそぐ王冠のやうなひかり

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塩本抄

諏訪からは全面結氷とふ便り薄き煎餅はりはりと食む

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くびすじを晒して走る自転車を追えば黄色になりそうな青

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ひとひらの詩を携えて雪は降るすこし遅れてきみの町にも

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地続きの新年がくる特養で良いお年をと頭を下げる

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地続きの新年がくる特養で良いお年をと頭を下げる

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寝る前にきみが生まれた日のことを語れば夜はやわらかな藍

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ほんたうの顔は要らないわたくしの好きな人として逢ふきみに逢ふ

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黄昏を分けてもらったあかるさで水平線をなぞる漁火

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きっかけの歌に振り向く こぼれ種から始まったひまわり畑

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