本日は残る生命の初日にてガーベラの咲く清明のころ
題『自由詠』 にて
半ぶんこと言ひし君の差し出す手少しだけ多く分け与へたり
題『手』 にて
うまれたひみんながわらってくれていて 心臓の音アレグロで打つ
題『音』 にて
今朝もまた部屋を赤らめ陽が昇るいついつまでもドラマ始まる
題『ドラマ』 にて
その人は4月生まれで深海魚のやうないびきを春に響かす
題『自由詠』 にて
こんな日はスープがいいねと声がするどんな顔して返事しようか
題『返』 にて
目を覚まし太陽さがし窓をみて今日も朝日が来たことを知る
題『朝』 にて
人間には間違える才能がある耳を塞いで雪の音聴く
題『雪』 にて
ベランダに寝そべり仰ぐオリオンの並ぶ顔のごと浮かぶ三つ星
題『三』 にて
「訳あり」と曲がったりんごを呼ぶ店で我も同じとカゴへ連れ出す
題『自由詠』 にて
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