やるせなく抱く膝さびし残月のひと夜のさ迷いただ儚く
題『朝』 にて
地を割って百合一輪の頑固者アスファルトに今年も顔出す
題『地』 にて
春の地の強き息吹の雪割の草一輪の可憐な主張
題『地』 にて
青二才若気の至りと頭掻き老いて人生笑ってごまかし
題『甘いものを読み込んで』 にて
挫折と蹉跌
『春』~みんなで作る歳時記~ にて
籐椅子の冬物語膝にしていつからだろう確かを忘れ
題『椅子』 にて
恋失くし雪の灯りか冬蛍せめて見せよか胸かきむしり
題『雪』 にて
雪女立ち去りがたく恨む春人世浮世の暖かさ知る
題『雪』 にて
駄々こねて冷たき余韻の冬小僧春をめぐんでどっかに行っとくれ
題『寒・冷』 にて
ひと雨に春の互換が冬に問う卒業式に装う母親
題『自由詠』 にて
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