ひと言が凶器となりて人殺(あや)む ソーシャルメディア全盛の世に
題『世』 にて
病む父が祝いにくれた諭吉札 三つ折りのまま使えずにいる
題『使』 にて
太陽系第三惑星には涙とう厄介な液体がある
題『星』 にて
言いわけに君はかぶりを振りつづく 二枚貯まりしイエローカード
題『サッカー(テーマ詠)』 にて
あいまいな態度に君のキラーパス ごめん。やられた。結婚しよう。
題『サッカー(テーマ詠)』 にて
母子して家出した夜の思い出は はじめて食べた天丼の味
題『家』 にて
風凪いで夏の名残の雲の塔 茜に染まりトンボ翔けくる
題『雲』 にて
序ノ口の君の番付糸のよう 太くなれよと 綱をとれよと
題『自由詠』 にて
いまはもう触れた記憶も遠くなり 老いた母の手握りに帰る
題『手』 にて
猛暑日を言い訳にしてなにもせず どこにも行かず葉月晦日
題『夏(テーマ詠)』 にて
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