空白を埋めたくなって点線の隙間に花を植えている手帳
題『空』 にて
からだから落ちる石鹸の泡のように歩道に満ちる百日紅のしろ
題『泡』 にて
一瞬を燦くような音がするいつかの夏のあの蝉時雨
題『花火(テーマ詠)』 にて
夕べ消えた線香花火の先っちょが今朝は向こうの山から昇る
題『自由詠』 にて
楽しそうですね!
題『歌』 にて
歌わずにはいられないほどだった日が照り返しの中見えたり消えたり
題『歌』 にて
制汗剤刀と同じ銀色のボトルを振って身支度する朝
題『汗』 にて
朝焼けに身体を染めて始まりの色は赤だと額が喜ぶ
題『始』 にて
海の底片目を瞑る貝の見る夢掬うように微睡む夏の日
題『海』 にて
これしかない鍵確かめて挿すような間違いのない扉はなくて
題『確』 にて
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