体内の湿気さらっと乾くような秋風招くシャツの裾から
題『内』 にて
平日の誰もいない岩盤浴の異世界にただ一人きり浮かぶ
題『世』 にて
十年後色んな形包むように使い古した木綿になれたら
題『使』 にて
この家の要のように 来た球を仁王立ちして弾き散らしたい
題『サッカー(テーマ詠)』 にて
殴られて家出して青い街灯が私に触れる 雪積もる道
題『家』 にて
太陽の正しさ隠す薄雲の優しさに身を委ねてしまう
題『雲』 にて
サングラスの隙間を射抜く太陽に下心ごと貫かれている
題『自由詠』 にて
黒黒と濡れた羽でばたばたと飛ぶ川鵜のように今日も働く
題『川』 にて
吸い込んだはずの空気が入らないくらいに胸に異物が詰まる
題『吸』 にて
手に乗せたインコと見つめ合うたびに何やら見透かされている気が
題『手』 にて
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