時満ちて溢れるように萌えている山の黄緑を水盆に受ける
題『時』 にて
おろしたての服を手に取る足元の春になれない線越えたくて
題『服』 にて
遠くから来てはだめだという声を逆風の中聞きつつ歩く
題『自由詠』 にて
永遠が溢れる中を歩いている去る桜たちと同じ歩幅で
題『遠』 にて
娘の言う助言を胸で受け止める新米の素直さ見習って
題『新』 にて
迷っても失うものは何もないと指伸ばし運命線を開く
題『指』 にて
前歩く飼い主の後ろで振り向く犬とこっそり目で会話する
題『犬』 にて
桜ふり学生服の紺色も揺れているような四月浮き立つ
題『職業詠』 にて
伝書鳩あの街目指して群れをなし青空をぐんと引っ張って飛ぶ
題『街・町』 にて
見えるもの全てを宝物箱に入れてしまおう雨上がる春
題『見』 にて
コメントをもっと読み込む