春めいた風はたまゆら消え失せて猛暑の熱風吹き荒ぶ街
題『春』 にて
温暖化歯止めかからず春の歌のん気に詠った日々は遠のく
題『春』 にて
かき氷そのうち春の季語となり食べるであろう花見しながら
題『春』 にて
春という季節が昔あったねと語り合うらん二十二世紀
題『春』 にて
ぐるぐると回転木馬に乗りながら狂ったように笑い続ける
題『転』 にて
空転するペダルをこいでいるような仕事の後の重たき疲労
題『転』 にて
明るさを装い写るアルバムを閉じて本当の自分に戻る
題『明』 にて
アイドルの押しつけがましい明るさを暑苦しいと思う猛暑日
題『明』 にて
月明りほんのり照らすベランダに佇むこともできぬ猛暑日
題『明』 にて
嘘という潤滑剤で錆びついた歯車回るこの世の中の
題『嘘(テーマ詠)』 にて
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