流れ星のような涙を拭きもせず遠のいてゆく車窓の君は
題『自由詠』 にて
コンプライアンス違反は皆よってたかって令和の公開処刑
題『自由詠』 にて
終りまで話を聴いてうなづけば二人の頬を撫でる春風
題『終』 にて
花が散りあとに残った桜木の子ども巣立ちしあとの静けさ
題『子ども』 にて
緑色に澱んだ池に群れをなす南国生まれの外来魚かな
題『みどり・緑』 にて
雨に濡れ緑の雫の光る街 魚類のようにスイスイとゆく
題『みどり・緑』 にて
ぬるぬると汚水が溜り澱んでいる法治国家の暗き抜け穴
題『法』 にて
重化学工業地帯の白銀の装置を照らす黄なる星群れ
題『色を読み込んで』 にて
語るべき言葉は持たぬ戦場のニュース流れる春の夕べを
題『語』 にて
タンポポの綿毛のように定まらぬ心も空に飛んでゆきたり
題『定』 にて
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