降りしきる雪は音なく時を刻みわれの意識は透明になる
題『時』 にて
雪山に眠れぬ熊がさまよえば眠れぬ吾は街にさまよう
題『雪』 にて
かくれんぼ忘れられてる一人だけ日没の闇に隠れ続ける
題『忘』 にて
風音を聞きつつ眠りに落ちてゆく荒野を歩む夢を見ながら
題『風』 にて
新年に立てた誓いを思い出す師走の遠い星を見ながら
題『今年あった出来事』 にて
人に見せることはないのに人の目をなぜか気にして書く日記帳
題『のに』 にて
巧妙に都合の悪い過去を消し人は生きている新たな過去を
題『消』 にて
今はすぐ過去となりつつ新年を引き寄せてくる止めようもなく
題『今』 にて
自分でも本当の気持ちが分からずに四方に飛び散る雪の中ゆく
題『本』 にて
喧騒の師走の街の黒々と光る川面に投げた花束
題『自由詠』 にて
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