カレンダー見ればため息出るばかり金の入る日は遥か先なり
題『カレンダー』 にて
トラックは白い埃を巻き上げて春の寂れた町道を行く
題『白』 にて
幼き日思い出しては手で作る影絵揺らめく眠れぬ夜は
題『手』 にて
切ないと思えるほどの青空へ小さくなりゆく春の飛行機
題『空』 にて
日が少し長くなったと思う時さわさわ近づく春の音する
題『音』 にて
綺麗事ばかり唱える人がいて大河ドラマのごとき陳腐さ
題『ドラマ』 にて
美辞麗句並べる人のお話を鼻毛抜きつつ聞く春の午後
題『春』 にて
工場の生産物は搬出し空の倉庫に春の日が満つ
題『春』 にて
ふり乱す髪のごとくに枝先を夜空に這わせ裸木が立つ
題『髪』 にて
重力の無きがごとくに吹く風を春風という淡き追憶
題『自由詠』 にて
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