地球からあふれるごとくうねる波春の陽ざしを受けて煌めく
題『あふれる・こぼれる』 にて
夕焼を映しそびえるビル街の矩形の空を鳥高く飛ぶ
題『映』 にて
強東風の吹き荒れしあと花びらは街一面に撒かれたりけり
題『あと』 にて
連休で人押し寄せる道の駅隅に潰れたトマト転がる
題『道』 にて
大人には成りきれないまま生きるゆえ生まれる歌も多くあるらん
題『大人(テーマ詠)』 にて
かくれんぼかけっこかげふみ泣きながら帰った道を照らす夕焼け
題『子どもの頃を思い出して』 にて
花びらが光を放ち散り匂う春真っただ中を昂然とゆく
題『ひかり・光』 にて
みどり児を抱いて歩める人のいるプロムナードを覆う花びら
題『みどり・緑』 にて
お揃いの法被で担ぐお神輿が町練り歩く頃に帰らん
題『法』 にて
もしもしと寂しげな声聞こえくる夜の電話を包む雨音
題『もし』 にて
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