札幌のスープカレーを湯せんせし ほくそ笑みて行ったつもりで
題『自由詠』 にて
お義父さんの最期の言葉は「ありがとう」 吾の心でずっと光りて
題『最』 にて
疾風は大きく揺れるコスモスに いじめは止めて足早に過ぐ
題『足』 にて
確実に人生の坂を下る吾 メダカ三百匹の心配と癒し
題『生』 にて
目の前に八重桜佇ちうぐいす鳴き 挿絵のような春を待つ私室
題『部屋(テーマ詠)』 にて
日曜の朝から夜までイオンにて 過ごせてしまう未亡人同士
題『朝』 にて
西陽射す古い書棚で見つけたのは 「ゲーテの詩集」わくわくする恋
題『書』 にて
サザンカの蜜吸うメジロに一目惚れ 双眼鏡はいつでもバックに
題『きっかけ(テーマ詠)』 にて
秋晴れに現る一匹の烏揚羽スカーフに止まり夢の競演す
題『一』 にて
ぽつぽつと雨に当たりて曼珠沙華 いっせいに我を見る赤く跳ねながら
題『自由詠』 にて
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