カフェの午後もう帰らない夫自慢 コーヒー冷めても泣き笑い 二人
題『もう』 にて
さみどりのストールはずし梅の香 春をもらいて永く生きたし
題『自由詠』 にて
匂い立つ追熟のキウイ供えれば すぐ応えせし義母は明るき
題『自由詠』 にて
輝く目に鍵の代わりのストッパー 幼の愉しみ奪ってごめんね
題『鍵』 にて
熱心に梅花ついばむヒヨドリに ふと過って行く父の命日
題『熱』 にて
風かよう小窓の外から梅の香 空気を吸って笑み溢れ落つ
題『風』 にて
先輩らの肉を噛み切る音聞こゆ 吾だけもたつき歯を治すべし
題『歯』 にて
ざらざらと崩れる砂山一瞬に 気持ちどよめく息子の言葉に
題『気』 にて
故郷を離れた父母は三十代 気持ちがわかる雪国のニュース
題『雪』 にて
バス停に深紅の薔薇の傘差す女(ひと) 忘れ得ぬのはあこがれと嫉妬
題『傘』 にて
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