おそらくはさみどり色の壁の部屋で 泣いてた吾子はお母さんなり
題『壁』 にて
夜明け前深き静寂は愉しみで 時間を忘れ歌など詠めたり
題『時』 にて
七人の家族に似せた雪だるま 笑い合う吾子ら愛おしい懐い
題『雪』 にて
若き日のページをめくればふわふわと 忘却包まれ辛さ去り行く
題『忘』 にて
こちらから謝ってみよう風に揺れる 銀色の芽吹き見たそのときに
題『風』 にて
「満月をきれいに詠む」と八歳の子 手をかざしては歌人になる夜
題『今年あった出来事』 にて
叱かられた理由(わけ)では無いのに 自閉の兄泣き崩れ背に手を当てる姉妹
題『のに』 にて
この気持ち掻き消すごとく今日もまた 真っ赤なりんごを深く煮詰める
題『消』 にて
今朝の空見えし残月大きくて 弱音吐いても許されそうな
題『今』 にて
古希の友電子書籍はお薦めと ずっと紙派で本を積む我
題『本』 にて
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