姫君のように我儘な娘が疲れた私に布団を掛ける
題『娘・息子』 にて
けんけんぱされる飛石が初夏の陽を浴びて輝くその柔らかさよ
題『石』 にて
数粒の米に集まれと声かけて今日の力になっていただく
題『米』 にて
ここまでは安全だった点線を越える右足がわずかに熱い
題『ここ』 にて
かくれんぼ見つけた小鳥の目の色が海だったのか思い出せない
題『思』 にて
高架橋フェンス越しに時速百キロの光の流れを見送る夜に
題『時』 にて
桃色のクッションのある部屋にいる メイクしている女性と共に
題『電車(テーマ詠)』 にて
日曜のサンダルの隙間埋まるよう車内放送の青い風走る
題『日』 にて
靴下を団子のように脱ぎ捨てて裸足で歩く芝生は笑う
題『歩』 にて
曇り空青よりも白に近づいて指の先から混ざってしまう
題『自由詠』 にて
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