グラスにつく朝露みたいな水滴を拭って飲み干すオレンジジュース
題『朝』 にて
金曜日あと一日が終わるまで吐息を胸に押し込んでおく
題『一』 にて
人前で裸にされる感覚でミスの指摘を面前で聞く
題『自由詠』 にて
真上から数多降るもの受け止めて傘の震える灰色の朝
題『上』 にて
街路樹の枯れた葉っぱの音鳴らし確かに終わった夏を手放す
題『町・街』 にて
円卓で揺れた気がした 秋桜を挿した瓶の底まあるく滲んで
題『円』 にて
落人のようにしがみつく雀蜂木肌を照らす朝陽に溶ける
題『落』 にて
柔らかい音する落ち葉に包(くる)まって癒す夢見る 傷を撫でつつ
題『秋(テーマ詠)』 にて
天秤に分銅載せ揺れては戻るのを見るように平穏を待つ
題『分』 にて
携帯が小指の上に落っこちてこんな物まで憎めると知る
題『自由詠』 にて
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