禁止された遊びに耽る少年の瞳に映る残酷な影
題『止』 にて
白々しい言葉を吐けば唇が乾いて荒れて血がにじみゆく
題『白』 にて
公園に迷子のような三輪車ひとつ残りぬ夕闇の中
題『公園』 にて
冬の嵐が窓たたきつけ逃れ得ぬ宿命の音としてそれを聞いている
自由律『冬』 にて
向かい風激しく吹いて飛ばされた帽子のように君は去りゆく
題『向』 にて
方向を誤っているそれなのに無茶苦茶がんばる人のあわれさ
題『茶』 にて
淡雪を枝に積もらせ月の下春を夢見る裸木の夜
題『木』 にて
抵当に入ったままの邸宅が雪に埋もれて二年目の冬
題『当』 にて
もう駄目だこれで終わりだその時に思いもかけず湧く底力
題『もう』 にて
もうここに来ることはない車窓には紅燃える夕焼の空
題『もう』 にて
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