闇を裂く悲鳴をあげて列車過ぎ静まりかえる線路の辺り
題『線』 にて
肉を食い終わり見ている白き皿油で濡れた赤きくちびる
題『自由詠』 にて
きっとあるどこかにあると今日もまた暗くなるまで探し続ける
題『探』 にて
ぼそぼそとパンを齧って見るテレビ画面の中の暗殺の家
題『パン』 にて
高々と風に煽られ花柄の傘は彼方へ飛び去りにけり
題『高』 にて
旅に出て戻らぬ母を思い泣く夕日に伸びる幼子の影
題『旅』 にて
名も知らぬ駅に降り立ち名も知らぬ町でひっそり暮らしたくなる
題『名』 にて
青ざめた顔をさらして見つめいる株価暴落告げるニュースを
題『青』 にて
捨てようと思い箱へと入れたまま何故捨てられぬ手紙一束
題『箱』 にて
どこに行くあても無いのにピカピカに靴を磨いて待っている春
題『靴』 にて
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