満足を知らぬ欲望蠢いて消費社会を今日も動かす
題『満』 にて
不満ばかり吐き出している口元はやがて醜く歪みゆくらん
題『満』 にて
負けいくさ分かっていても男には戦わなければならぬ時あり
題『負』 にて
ギャンブルに負けて増えゆく借金のようにふくらむ恋心かな
題『負』 にて
店にある在庫はすべて叩き売り負債を減らすわずかなれども
題『負』 にて
花火止み夜空に広がる虚しさをじっと見つめてわれ独り立つ
題『花火(テーマ詠)』 にて
遠くから花火の音は聞こえきて仕事の合間に見るビルの窓
題『花火(テーマ詠)』 にて
ハイヒール凶器のごとく新品の靴を突き刺す満員電車
題『靴』 にて
片方の靴が浮いたり沈んだりして流れゆく夕暮れの川
題『靴』 にて
そっくりな顔した幼き兄弟が二子玉川駅に降り立つ
題『ニ』 にて
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