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和三盆
和三盆
2 years ago

「マカデミアナッツ」読みました。あの井さんの短歌があの井たらしめる理由のひとつとして口語的なところがあると思っています(特に口語的なので《超口語的あの井短歌》だと思っています)。
歳が近いということもあると思うのですが、わたしたちが使う言葉遣いで主体が時折感じる「生きづらさ」が気取られるか気取られないかの瀬戸際ぎりぎりで描かれていて、それが死にたさに変わったり、少しの希望に変わったりしているのが印象的でした。アラビックヤマトのフタが開かない、ホットケーキの真ん中が生だったかもしれない、牛乳が縦に入らない、ささくれが剥けた……そういった本当は取るに足らないつまづきが主体にとって生きにくさのトリガーになる歌が多いと感じました。毎日をいっぱいいっぱいになりながらそれでもなんとかぎりぎりで生き続けられるのは、この歌の「海に行くときの気持ちを海に行くとき以外に使う」ように、主体の中で術を見つけているからだと感じました。
すごく良かったです。ちゃんとした感想が送りたくてnoteで書くか迷ったのですが、ちょうど良いサイトが開設したのでこちらで書かせていただきました。

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