託せれば三十一文字に我が思い幾千の言葉連ねなくても
題『千』 にて
家という楽屋に戻り衣装脱ぐ今日も一日中がんばったねと
題『楽』 にて
まだぼくは「サンタクロースを信じてる」大人の夢を壊さぬように
題『信』 にて
電気消し入る布団の冷たきが温まる間のほのかなしあわせ
題『幸せ(テーマ詠)』 にて
風を受け陽射しの中を軽やかに歩きたくなる秋の日の午後
題『軽』 にて
「よかったね」写真に言って夕飯を一品増やすささやかな宵
題『ささやか(テーマ詠)』 にて
木犀の薫りを飛ばす午後の風帽子を目深に被り直して
題『深』 にて
鰯雲あかねに染まり十三夜肩に羽織った上着の温み
題『夜』 にて
白き霧緑の木々を隠しゆき森の匂いに肺洗われる
題『自由詠』 にて
別れての夏休み明け認めたくなかっただけでまだ君が好き
付句『認めたくなかっただけで』 にて
コメントをもっと読み込む
