田舎からりんごが届きテーブルに寄せ鍋の湯気嬉しく囲む
題『冬(テーマ詠)』 にて
開場を待つ人の列長くあり目当てはホタテかステーキ丼か
題『場』 にて
手を伸ばし触りたくなるすやすやと眠る赤子の柔らかい髪
題『触』 にて
病院の重いガラスの自動ドア背にして現をかみしめる今
題『今・いま』 にて
豪雨止み風もおさまり空抜けて台風の目のつかの間の凪
題『目』 にて
妹の七つの晴れ着にお兄ちゃんそっぽを向きつつぽそりと「いいね」
題『いいね(テーマ詠)』 にて
布団から外の気配をうかがえば通る車の音が濡れてる
題『車』 にて
北風に「一杯どう」と同僚と路地のおでん屋ののれんをくぐる
題『どう』 にて
真っ白な解答用紙にベルが鳴る飛び起き止める手には冷や汗
題『真』 にて
じいちゃんの自慢ののどの聞かせどこ町内会のカラオケ大会
題『喉・のど』 にて
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