ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。

評価を集めた歌
題『白』
ため息は空へ連鎖をしてゆけり白紙のやうな早朝を行く
題『本』
古書店の本の匂ひは過去からの贈り物だと背表紙が言ふ
題『急』
救急車のサイレン響き遠のいて深夜の街はさらに凍てつく
題『冬(テーマ詠)』
あんまんに君の両手を奪われて冬のコンビニ帰りを歩く
題『今・いま』
たった今わたしの一部じゃなくなった髪がしずかに散る美容室
題『教』
教室の僕らの集う指定席 季節変われば終わると知ってて
題『落』
落ちぶれたピエロのようにくるくると枯葉は踊る夕暮れの道
題『目』
目を患いやっと決心した姉の 白杖の音柔らかに響く
題『引』
年ごとに断捨離という引き算が 大きくなって終活となり
題『もう』
もう一度ただ会いたいと二杯目の珈琲オーダー窓外は風
題『追』
追う側のほうが輝いていたりして絡まってゆくバッハのフーガ
題『追』
夢の中いつも何かに追われてる 追われる訳も分からぬままに
題『光・ひかり』
あの頃の夏の陽射しは強すぎて振り向く君が逆光になる
題『回』
回想をめぐらすように降る雪を飽かず見ている夜の窓辺に
題『心』
心臓をさずけるように弁当のごはんに母はうめぼしを置く
題『自由詠』
この先にひかりを映しだす窓があるかもしれず乗る新幹線
題『聞』
十余年聞こえたピアノが窓辺から絶えてあの子は家を出たらし
題『消』
消えてゆけ辛い記憶も落ちてきて路上に融ける雪のごとくに
題『急』
旅の空急ぐでもなく型落ちのコートで降りる名も知らぬ駅
題『手』
コンビニのおでんでかじかむ手を温め鍵を冷たき鍵穴にさす
題『触』
珈琲が触れられないままテーブルの向こうの君を映している
題『触』
くちびるにそっと触れれば冷たくて永遠(とわ)の別れと思い知らさる
題『車』
ワイパーに紅葉一枚はさまって僕の車は秋仕様となる
題『学』
逆上がり出来ずに一人学校の鉄棒ゆれるカラス鳴く空
題『引』
くじ引きのはずれのような毎日を愛おしみつつ年暮れてゆく
題『引』
これからが冬本番の寒さです風邪引かないでお過ごしください
題『もう』
もう二度と既読の付かなくなったLINE最後に打つよ「ありがとう、また」
題『雪』
サクサクと雪踏む音は四拍子ブーツよ君も楽しんでるかい
題『教』
教室の窓から見える桜の木 いくつの恋を見てきたのだろ
題『光・ひかり』
教室のカーテン揺らす子供らの笑い声に跳ねる朝の光
投稿の多い歌人