ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。

評価を集めた歌
題『白』
ため息は空へ連鎖をしてゆけり白紙のやうな早朝を行く
題『急』
救急車のサイレン響き遠のいて深夜の街はさらに凍てつく
題『冬(テーマ詠)』
あんまんに君の両手を奪われて冬のコンビニ帰りを歩く
題『今・いま』
たった今わたしの一部じゃなくなった髪がしずかに散る美容室
題『目』
目を患いやっと決心した姉の 白杖の音柔らかに響く
題『消』
消えてゆけ辛い記憶も落ちてきて路上に融ける雪のごとくに
題『急』
旅の空急ぐでもなく型落ちのコートで降りる名も知らぬ駅
題『手』
コンビニのおでんでかじかむ手を温め鍵を冷たき鍵穴にさす
題『触』
珈琲が触れられないままテーブルの向こうの君を映している
題『触』
くちびるにそっと触れれば冷たくて永遠(とわ)の別れと思い知らさる
題『車』
ワイパーに紅葉一枚はさまって僕の車は秋仕様となる
題『聞』
十余年聞こえたピアノが窓辺から絶えてあの子は家を出たらし
題『聞』
真夜中にサイレン聞こえ目を覚ます街の灯りと獣の声と
題『白』
もうすこし生きてみようか白地図のような春はじまりの手帳と
題『白』
サンタにも食べさせたいと冬晴れに 白菜漬ける母の手赤く
題『白』
コーヒーの白き湯気立つ一人居に安らぎもまた揺らめくと知る
題『白』
消しゴムで消せない記憶があることを 知ってしまう日のノートの白さ
題『消』
青春のにがい想いを消すように 無心になってトイレを磨く
題『消』
人混みにかき消されゆくその背中胸に刻んで幸せ祈る
題『よう』
「さようなら」メールで送る決別は缶コーヒーの温もり借りて
題『冬(テーマ詠)』
何事もなかったように雑踏に踏まれて消える初雪と恋
題『場』
別れには不似合いな場所の喧騒が泣きたい心を止めてしまう
題『触』
肩に触れ旋回してゆく赤とんぼ 姿を変えたシャイな亡夫よ
題『目』
目閉ずれば浮かぶ生家と団欒の座席の位置と山盛りコロッケ
題『いいね(テーマ詠)』
かわいいねだけですべてを許されて退屈してる猫だって居る
題『いいね(テーマ詠)』
妹の七つの晴れ着にお兄ちゃんそっぽを向きつつぽそりと「いいね」
題『真』
植物を愛する人の真心に応えて花は美しく咲く
題『馬』
木枯らしが白馬のように駆け抜けて明日は雪かと空を見上げる
題『夢』
会ひたいと枕を濡らす夢のなか起きて悲しや寝ても悲しや
題『君・あなた』
ネギを切る軽快な音目覚ましに今日も始まる君との一日
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