ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『落』
図書館のカーテンゆれて落陽がページの上で一休みする
題『もらう』
檻の中 氷をもらう シロクマの 無邪気な姿が 何故か切ない
題『通』
まだ母に謝ってない私にもいつも通りに出てくるご飯
題『終』
真夜中の最終列車を見送って駅は静かに瞼を閉じる
題『東西南北いずれかを読み込んで』
おもちゃ屋も本屋も消えた故郷の町を西日は赤く染めゆく
題『空想(テーマ詠)』
店頭でサマージャンボを買いながら 会える気がする妻夫木君に
題『空』
ビー玉をかざせばキラリあの時の空の欠片を閉じ込めた青
題『靴』
散歩中名もない花に気づくようほどけてくれるきみの靴ひも
題『また』
夜にまた 思考の余白を埋めてゆく あなたのことを忘れるために
題『曲』
丁寧に父の曲がったネクタイを直してあげる定年の朝
題『恋』
何事もなかったようなふりをして過ぎ去る恋はもう何度目か
題『ポケット』
ポケットにしまい込んでた思い出を浜辺に埋める星屑の夜
題『重』
ささやかな 夢を重ねて 十三夜 満月までは あともう少し
題『花火(テーマ詠)』
車窓から見える花火を追いかけて鈍行列車はペガサスになる
題『ニ』
誰にでも 一人や二人 いるものさ 守りたい人 殺したい奴
題『落』
夏空の色素を削り落とすごと入道雲の白が広がる
題『通』
お揃いのブックカバーが嬉しくてきみ住む街の本屋に通う
題『明』
コンビニの明かりが街のオアシスのように思える淋しい夜は
題『また』
母がまた父との思い出話しする 初めて聞いたふりする私
題『また』
いつかまた会えると信じて見る月を君もどこかで見てると想ひ
題『自由詠』
帰省終え戻るわたしに両親が持たせてくれる畑の野菜
題『音(テーマ詠)』
朝ドラはぐんとボリューム上げて観る まだ内緒なり補聴器のこと
題『音(テーマ詠)』
清らかな水の流れは音もまた濁りもなきて澄みたる響き
題『空』
夏虫の寝静まる 短夜(みじかよ)ひとり 寝付けぬまま 星空眺むる
題『満』
ボクかわいい?ママが大好きだからだよ 4歳息子 満点回答
題『花火(テーマ詠)』
宇宙の始まりを見たいというからバケツのなかで線香花火
題『靴』
玄関に明日履く靴を出しながら祝辞をひとり声にする夜
題『ニ』
何歳?と 聞かれた孫は 手を見つめ 人差し指を 二本並べる
題『緊張(テーマ詠)』
白線に並んでスタート待ちながら僕らは未来をじっと見つめる
題『落』
「都会にはもう慣れたよ」と親に告げ電話を切れば涙が落ちる
投稿の多い歌人