ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『言』
またいつか 二人で見たいと君が言う 夜空に輝く冬のシリウス
題『言』
けっぱれと母の言葉が身に染みて 歯を食いしばる深夜の警備
題『自由詠』
あの夜の またねとまたねの 約束は 守られないまま 宙(そら )をさまよう
題『甘いものを読み込んで』
あの人が部屋に残したスイカズラ甘い香りと記憶と影と
題『三』
三月で終わった恋が立ち止まる 桜を絡(まと)う恋人たちに
題『三』
初めての 三陸鉄道 リアス線 復興の地へ 君住む町へ
題『動物を読み込んで』
午前二時 ネズミがそろりと 動きだす 宇宙と交信 始めるために
題『動物を読み込んで』
満月に 悲しき嘆き 慟哭に 重なり響く 犬の遠吠え
題『言』
寂しいと 言葉にすれば 辛くなる あなたの思い出 抱いて眠る夜
題『自由詠』
菜の花のお浸し美味し春の味醤油マヨにてお箸が進む
題『自由詠』
失敗を恐るるなかれ 百年後 誰もお前を覚えちゃいない
題『もし』
もし君が君でなかったら僕は僕でなかっただろう星のない夜
題『甘いものを読み込んで』
恋をしてバレンタインにチョコレート 渡しそびれて自分で食べて
題『甘いものを読み込んで』
君のこと見ているだけで幸せで甘いリンゴと膨らむ頬と
題『寒・冷』
冷たいね握る手と手をポケットに僕のコートに初めての恋
題『自由詠』
少しだけ 時計の針が 止まる日は カンパリ・ソーダと グラスが二つ
題『自由詠』
公園の 桜の下で 戯れる 子供の背中 追いかける春
題『生』
差し出した林檎が一つ触れあう手 心に生まれる湧きでる想い
題『坂』
月の夜 坂道のぼれば叶ふ恋 くだれば叶はぬ恋もありなし
題『坂』
人生は坂に似ていて見る場所で上り下りに変わる坂道
題『言』
あの人の 最後の言葉が 忘られず 嫁ぐ日の朝 眠れないまま
題『言』
一言の足りぬばかりに損をして偶に多くて赤っ恥かく
題『自由詠』
何気なく 使う言の葉「また明日」人と人とを 紡いでくれる
題『白』
思い出を 白いノートに 書きとめて そっと開けば 動きだす時間
題『空』
何もかも 分かったような 顔をして 見つめた空に 浮浪雲一つ
題『行』
行間を埋め尽くせない寂しさが便箋染める夜空に銀河
題『自由詠』
新しい 枕に変えて 眠られず 君を数えて また眠られず
題『自由詠』
新しきLINEアイコン向日葵に変えて季節をかなり先取り
題『自由詠』
「訳あり」と曲がったりんごを呼ぶ店で我も同じとカゴへ連れ出す
題『自由詠』
ストーブを囲み餅焼く町工場残業前の昭和の匂い
投稿の多い歌人