ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『もらう』
春の日の光と風に揺れる花 元気をもらう図書館への路
題『店』
古書店の本を開けば触れあえる想いと夢と記憶と時と
題『夫婦』
年老いた夫婦の肩に桜散り 見ること願う来年もまた
題『風』
暖かな 春の陽だまり そよぐ風 肩を並べて 昼寝する猫
題『髪』
髪形が変わった君の左手に銀の指輪を見て春を知る
題『話』
月を見て かぐやの話に 君重ね 帰り待つ身の 侘しさ酒に
題『犬』
「待て」しても見えないところでズルをする 犬も人も似たり寄ったり
題『夫婦』
夫婦でも言えないことが有るんだよ番いの鳥の鳴く声遠く
題『自由詠』
キャンバスに青と緑を混ぜて海 人影二つ戯れて風
題『話』
酒が好き煙草が好きでジャズが好き 昔惚れてたオトコの話
題『みどり・緑』
かおる風 ささやく木々と あたたかな 光に遊ぶ みどり子と君
題『色を読み込んで』
行春(ゆくはる)を惜しむかのよう茶畑の新芽を揺らし緑の風吹く
題『語』
秋の夜の時をひとひら切り取って 友と語らう月を肴に
題『定』
苦心して定型にする気持ちよさ枠の中なら自由に遊べ
題『透明』
手を広げ月の光を吸い込めば 心が少し透明になる
題『本』
卓上で 賢治の本が戯れる 宙(そら)から聞こゆ銀河の音に
題『本』
読みかけて 途中でやめた あの人の 本と栞は 眠ったままで
題『風』
風が好き 夕暮れが好き あの人が 残した言葉 空に探して
題『もらう』
もらわれて来た日はよちよちしてたキミ今日もひらりと棚に飛び乗る
題『時』
寂しくて風の時間を数えてる一人の夜に銀河は揺れて
題『服』
最後だね 卒業式の 教室で 学生服の 君に呟く
題『遠』
遠き日の母の面影のこりたる還暦過ぎし姉の横顔
題『新』
新しいノートに詩を書きましょう幾千の夜の幾千の想い
題『新』
新しい風を感じてみたいから 窓のない部屋 空に手を伸ばす
題『指』
頬染めて指絡ませた約束は時が連れ去り空に消え去り
題『犬』
満月に何故か哀しく哭く犬よ 見えないものが見えるかのよに
題『みどり・緑』
木洩れ日が作る緑の影踏んで遊ぶ子らの声碧天に舞う
題『遠』
ズームして遠くの君を引き寄せる心も共に寄って来ぬかと
題『風』
春風に揺るる菜の花ふと君を思ひ出したる午後四時の帰路
題『もらう』
亡き妻に編んでもらいしセーターは黄ばんだけれど温み変らず
投稿の多い歌人