ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『七夕(テーマ詠)』
望んでも叶わぬことを知りながらペン先あてる短冊の白
題『水』
悲しみはきっと水溶性だからやがて出てゆく涙とともに
題『犬』
老犬が 子猫のパンチを 鼻に受け よけずに優しく 戯れる午後
題『冷』
冷蔵庫 飲み物だけが 消えてゆく 終わりの見えぬ 夏の炎天
題『着』
着古した 夏を脱ぎすて 新しい 風とテイシャツ 海鳴りと恋
題『自由詠』
今度こそ筆を折るよという君がペンとノートは断捨離できず
題『部』
ポケットの破れた部分に引っかかる昔の恋は色あせぬまま
題『水』
悲しみを持つ人にだけ見えるというバンドネオンの水色の音
題『自由詠』
炎天下しおれた花に老人がペットボトルの水あげる午後
題『サラダ(テーマ詠)』
サラダバー幸せそうに眺めてるそんなあなたに選ばれたくて
題『花火(テーマ詠)』
静寂(しじま)なる夏の星座に重なりて 賑やかな花咲く祭りの夜
題『髪』
ベランダで幼い我が子の髪を切る母の笑顔に揺れる陽だまり
題『自由詠』
取りあえず 一日二首の 歌を詠み それを肴に ビールをグビリ
題『歌』
子守唄替わりに車輪の音聞いて乗り過ごしゆく最終電車
題『歌』
ただ生きてタバコも酒も飲まないで無名歌人に酔いしれる夜
題『汗』
額から流れる汗を手で拭い 見あげた夏に鳥の影もなく
題『汗』
草刈れば流れる汗にくすぐられ背中の筋がぴんと伸びゆく
題『始』
まだ眠い人らをそっとあやすようゆっくり走る始発の電車
題『夏(テーマ詠)』
夏からの贈り物です あの人の手紙と本と片道切符
題『食』
夜勤明け駅構内の蕎麦を食い胃薬飲んで眠りつく午後
題『確』
人生に確かなものはないんだよ明るい顔で繰りかえす祖母
題『公園(テーマ詠)』
公園で遊ぶ子供の姿さえ猛暑が全てを奪い取る夏
題『楽』
二人して苦楽を共に老いるまで そんな約束君は守れず
題『もらう』
檻の中 氷をもらう シロクマの 無邪気な姿が 何故か切ない
題『空』
ビー玉をかざせばキラリあの時の空の欠片を閉じ込めた青
題『髪』
終わる恋 好みの色に染めし髪 違う私になれる気がして
題『自由詠』
ベランダの柵に凭(もた)れて 夕涼み 薄紅色に染まるすじ雲
題『歌』
弟の手を握りしめ立つホーム泣かないように歌うはなうた
題『始』
陽が沈み夜の始まるその時に明けてくれるなと思う日もあり
題『海』
貝殻を 耳にあてれば 海の音 終わりを告げる 夏と初恋
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