ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『兄』
兄からの ふるさと色の 絵葉書を 月にかざして 酒を飲む夜
題『ひとり暮らし(テーマ詠)』
いつからか 一人の部屋に 住みついた 猫の名前は まだ決めてない
題『七夕(テーマ詠)』
望んでも叶わぬことを知りながらペン先あてる短冊の白
題『水』
悲しみはきっと水溶性だからやがて出てゆく涙とともに
題『犬』
老犬が 子猫のパンチを 鼻に受け よけずに優しく 戯れる午後
題『冷』
冷蔵庫 飲み物だけが 消えてゆく 終わりの見えぬ 夏の炎天
題『自由詠』
炎天下しおれた花に老人がペットボトルの水あげる午後
題『サラダ(テーマ詠)』
サラダバー幸せそうに眺めてるそんなあなたに選ばれたくて
題『春』
お喋りで 元気なあの娘(こ)が 箸を止め 春告げ鳥の 声を聴く午後
題『転』
手のひらで転がされてると知りつつ君の影踏む初めての夏
題『嘘(テーマ詠)』
あの人が最後に残した優しさは小さな噓とハンカチ一つ
題『君』
語り部の紡ぐ言葉を聴く君の隣で僕は空を見ていた
題『白』
白黒の写真を挟んだ本棚の『走れメロス』は眠ったままで
題『白』
白猫の尻尾にじゃれて我が息子 遊ぶつもりが遊ばれている
題『ただ』
水無月の真っただ中の炎天下 蝉の声無き 不思議な真夏
題『自由詠』
夏の夜の 儚さ映す 手の中の 線香花火 束の間の夢
題『窓』
足腰も弱くなったと窓辺にてコーヒー片手に世界を憂う
題『青』
今日はまだ誰とも話をしていない青い空に浮浪雲ひとつ
題『遊』
陽だまりに ささやく風と カーテンと 遊び疲れた 子猫の夢と
題『公園(テーマ詠)』
公園で遊ぶ子供の姿さえ猛暑が全てを奪い取る夏
題『楽』
二人して苦楽を共に老いるまで そんな約束君は守れず
題『春』
夏草は切ろう抜こうと逞しく春の芽吹きの可愛いことよ
題『明』
眠れずに泣く子を抱いて空見ればかすかに光る明けの明星
題『嘘(テーマ詠)』
偽りでもいいから優し言葉欲し時にはそれで生きて行けるから
題『手』
出迎える猫たちに手や膝嗅がれ ボディチェックをされるが如し
題『手』
定年の拍手の中を男去る解放感と寂しさ胸に
題『手』
両手でも抱えきれない夢を持つ少女の背中を押すベルの音
題『君』
車窓から 見える景色に 幸せに 過ごしてますかと ふと君想う
題『傘』
左手の指輪に気づかぬふりをして傘を差しだす雨のクラス会
題『公園(テーマ詠)』
ブランコで高くなるまで漕いでいたハイジのブランコ憧れた頃
投稿の多い歌人