ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。

評価を集めた歌
題『自由詠』
悲しみは心に入りきらなくてコップにそそぐ朝の水音
題『から』
私から縁を切るのが最善と冷めたコーヒー見ながら悟る
題『次』
次にくるバスで別れる君に雪 かける言葉もないままに雪
題『幸せ(テーマ詠)』
幸せの押し売りをする番組を消して冷たき風音を聴く
題『重』
重力を無視して愛は舞い上がる いずれは散り行く桜のように
題『足』
待ち合わせ場所のあなたに駆け寄ればみじかいワルツに変わる足音
題『部屋(テーマ詠)』
ベランダで 見えない月の 裏側を 見ようとしてた あの日の二人
題『書』
書き慣れぬあなたの苗字ぎこちなく礼状綴るお祝い返し
題『夢』
会ひたいと枕を濡らす夢のなか起きて悲しや寝ても悲しや
題『君・あなた』
ネギを切る軽快な音目覚ましに今日も始まる君との一日
題『軽』
「お手軽」に惹かれて買った家具キット 無口な図面に苦戦している
付句『認めたくなかっただけで』
認めたくなかっただけでお供えを食べた夜からお化けが見える
題『時』
知らぬ間に町を濡らした小夜時雨すいこむ息もひんやりとして
題『朝』
雨後の風冷たき 秋は深まりし コーンスープの温かい朝
題『書』
子が書いた「だいすき」の紙捨てられず 日々積もってくだいすきのやま
題『夢』
甘い夢ばかり見ていた若き日を悔いて眺める秋の落日
題『天』
亡き君の口癖だった「大丈夫」ふいにこぼれて天を仰いだ
題『天』
どうしても 天井のシミ 雲にしか 見えず野原に いる夢を見る
題『君・あなた』
特別に何もない日であるけれど白きかすみ草君に供えん
題『軽』
この軽い骨壷の中わが母の七十余年が詰まっております
題『ささやか(テーマ詠)』
老いふたつ語るでもなくひなたぼこ 猫を間に今日も生きてる
題『夜』
夜はもう布団に入り本を持ち心の奥の旅に出かける
題『自由詠』
手のひらで 溶ける淡雪 寂しいと つぶやく君を 遠く感じて
付句『認めたくなかっただけで』
認めたくなかっただけでずっと好き勝気なとこも泣きべそ顔も
題『色』
塗り終えて絵筆をゆすぐ水さしの虹を溶かしたような色合い
題『自由詠』
いずこから ほのか金木犀の風 秋の香とすれ違う通勤路
題『朝』
サヨナラは明朝体でそっけなく 手書きはいいや、捨てられないから
題『書』
最後まで願いを聞かず走り書きみたいに去っていく流れ星
題『歳』
手の中に夢も恋も友情もある気がしていた二十歳(はたち)の頃は
題『調』
銀河から星の調べが巡るとき君と辿りしあの日を想ふ
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