ランキング(過去1か月)
素敵な歌を作るためには
良い作品を生み出すためには様々な方法があると思います。
1.具体性
良い歌は読み手の頭の中に映像を浮かび上がらせることに成功していると思います。具体物を上手に入れることで歌は良くなるはずです。
2.理のないリアリティ
論理的には結びつかずとも、景と情が適度な距離感で結びついていることは良い短歌になる一つの要素だと思います。適度な飛躍や、無理のない連想がポイントだと考えています。
3.想いを託す
読み手がいることを忘れない。読み手が受け取って短歌は完成する。カッコつけたフレーズや、読み手が置いてけぼりな表現は敬遠される理由になります。
創作のヒントになれば幸いです。
評価を集めた歌
題『ひとり暮らし(テーマ詠)』
いつからか 一人の部屋に 住みついた 猫の名前は まだ決めてない
題『世』
世界の終わりのような顔をした人の隣であくびをする猫
題『花』
名も知らぬ花を見つけた帰り道スマホに映す春の残り香
題『自由詠』
夏の夜の 儚さ映す 手の中の 線香花火 束の間の夢
題『窓』
足腰も弱くなったと窓辺にてコーヒー片手に世界を憂う
題『青』
今日はまだ誰とも話をしていない青い空に浮浪雲ひとつ
題『遊』
陽だまりに ささやく風と カーテンと 遊び疲れた 子猫の夢と
題『石』
外灯の 明かり染みこむ 石畳 虫の死骸も 恋の欠片も
題『ここ』
何もかも捨ててここから逃げたいと思う日がある夕暮れの雨
題『傘』
来ぬ人を待つ右の手に傘ひとつ開かれぬまま降る雨を見る
題『晴』
晴れて良し曇りも雨も全て良し ダメな自分も今の自分も
題『傘』
左手の指輪に気づかぬふりをして傘を差しだす雨のクラス会
題『石』
トンネルを抜けたところに石仏と戯る風と苔むす秋と
題『時』
静寂が 時々胸に 訪れて 何も言わずに ただ見つめてる
題『電車(テーマ詠)』
見送りもないまま旅立つ人の背に汽笛と風と孤月の影と
題『書』
図書室で好きな作家を言い合って僕らゆっくり距離を縮めた
題『自由詠』
手のひらで握りしめては零れ散る想いは風に夜空の星に
題『自由詠』
最終の列車の傍で揺れる夜 ベルが切り裂く影を二つに
題『窓』
窓外の はずし忘れた 風鈴の 一人の部屋に 鳴る音哀し
題『爪』
何事も不精な祖父が爪だけは綺麗にしてたと我が子に語る
題『青』
図書館で君が手にした本の名が気になり目で追う青い背表紙
題『遊』
公園で無邪気に遊ぶ子供らの背中の風を追いかける夏
題『世』
平穏な 世界であれと 願う夜 思いはみんな 同じと信じて
題『自由詠』
手話かわす若き二人の選びし具カレーだろうかシチューだろうか
題『娘・息子』
あんパンで救えぬ命も有るんだと娘や息子に伝える切なさ
題『米』
一日に 二合の米が 一合に 変わる食卓 沁みる黄昏
題『ここ』
ほらここに きれいな花が 咲いている あなたのいない 風につぶやく
題『のに』
木漏れ日に揺れているのに物憂げな瞳が気になる昼下がりの風
題『書』
書きとめた詩を夜空に解き放つ 誰にも見られず星屑となり
題『書』
古書店で過去の時間を紐解けば紙とインクの匂い揺蕩う
投稿の多い歌人