上司にも部下にも言えぬ胸の内 猫のおなかに顔埋めしゃべる
題『内』 にて
ローズティーの香りよ届けあなたへとあの世が近くなるという日に
題『世』 にて
帰京する列車の窓の明るみて幸先うらなう天使の梯子
題『使』 にて
晴れぬ気を空に写して息を吐き閉じた目開ければ星のなき夜
題『星』 にて
昨日まで万年ベンチの弟がアシスト成功決勝ゴール
題『サッカー(テーマ詠)』 にて
秋風にはじめましての作家さん扉を開く指がわくわく
題『家』 にて
九分立ての生クリームのような雲ぽってり浮かぶ空の青くて
題『雲』 にて
月蝕を待ちつつ盃重ねれば心ふわふわ鈴虫の声
題『自由詠』 にて
猛暑日もようやく暮れて川風を頬に感じてほうと息つく
題『川』 にて
立ち際に急いで吸えばズズズズとストローの先顔赤くなる
題『吸』 にて
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