大きめのパリッと輝く制服の笑顔が通る午後四時の道
題『服』 にて
冬物をクリーニングに持ち来ればカウンターには先客四人
題『自由詠』 にて
庭庭のとりどりの花に翳のさし春の遠雷西に聞こえる
題『遠』 にて
やわらかくなりける風の金曜日枝の早緑目に新しし
題『新』 にて
ゆったりと猫は前足なめている床一面のティッシュの海で
題『海』 にて
新人とつながる話題さぐりつつ歓迎会の席あたためる
題『話』 にて
細い道友の指さすその先に海のかけらがチラチラ輝く
題『指』 にて
狛犬の目を盗むように境内に遊びに入った学校帰り
題『犬』 にて
退社までデスクに張りつきゴチゴチの肩と背伸ばすまだ水曜日
題『職業詠』 にて
洗濯機のふたを開けたら大惨事どのポケットに入ってた?ティシュ
題『入』 にて
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