急ぐ身の足止めさせて目を奪う夕陽に映える山茶花の白
題『白』 にて
人混みにかき消されゆくその背中胸に刻んで幸せ祈る
題『消』 にて
枯葉舞いクリスマスの歌聞こえきて年の瀬の支度せかされるよう
題『よう』 にて
気が急いて約束の駅にて四半刻相手のあれこれ想いて過ごす
題『急』 にて
湯に入れた手先足先解けていく初めはじんじんそしてじわじわ
題『手』 にて
田舎からりんごが届きテーブルに寄せ鍋の湯気嬉しく囲む
題『冬(テーマ詠)』 にて
開場を待つ人の列長くあり目当てはホタテかステーキ丼か
題『場』 にて
手を伸ばし触りたくなるすやすやと眠る赤子の柔らかい髪
題『触』 にて
病院の重いガラスの自動ドア背にして現をかみしめる今
題『今・いま』 にて
豪雨止み風もおさまり空抜けて台風の目のつかの間の凪
題『目』 にて
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