城跡の歴史の風に誘(いざな)われ万葉集の手引きをひもとく
題『万』 にて
チューリップの花をなくした茎の上てんとう虫がじっとしている
題『上』 にて
幼子の「答えはひみちゅ」とキラキラと目を輝かす明日に幸あれ
題『答』 にて
集まって異国に散った友想いあの頃の酒バーボンを飲む
題『飲』 にて
帰ります午後の列車でふるさとのあの星をまた君と見るため
題『星』 にて
紫陽花の短く刈られた枝枝にペン先のような若葉の勢い
題『自由詠』 にて
かばん抱き青の点滅駆け抜ける終電車まであと十二分
題『終』 にて
築山の広がる芝生へ子どもらのはしゃいで走る 五月の光
題『子ども』 にて
さみどりの木洩れ日そよと足に落ち踏みしめゆくはモザイクの道
題『みどり・緑』 にて
お茶席は作法は二の次楽しんで そう言う師匠に背中を押され
題『法』 にて
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