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縦長の長屋を指して田舎だと幼き子らの家が不思議で
家庭とは煩わしさと愛しさと 二度と戻れぬ追憶の中
整然となった売り家の窓奥で食器の音が滲む雨の日
廃村の古い家屋の痕跡は 住んでた人の昔の記憶
茅葺き(かやぶき)の小さき家より漏る光 蛍とまがふ夏の夜の夢
家族にも内緒のことを三毛猫に話してるのを子供に聞かれ
どたどたと ハヤテのごとき その音が 小さな笑顔と はなまる運ぶ
家を捨て都会の隅に隠れ住む街燈の灯をよぎる野良犬
鬼嫁と笑うくせして愛妻家 スマホの中に鬼ばかりいる
末娘修学旅行最終日 ソワソワしだす 家で待つパパ
親元を離れ三十年(みととせ) わたしなり築いた家庭 まだ形変え
人家に猿の集団出没す野菜果実食い荒らす
足止めず肩の荷物をかけ直す角を曲がれば我が家の灯り
妻亡くばやらざるを得ず家の事しっちゃかめっちゃか手抜きだけれど
「家帰ろ」吾も吾子もインドア派 やはり一番 家が落ち着く
嗄(しわが)れた 隣家の老犬の遠吠え 風呂窓を伝う夜 切なき
ひらがなの練習か 民家の塀の 子どもの字で書かれた白い「あ」
解体後 影も形もない家屋 今年まで咲いていた梅の木も
家の中 片付けしても 意味なくて すぐ散らかされ 元の木阿弥
優勝し嬉々とはしゃいだ君の顔我が家に残るトロフィー見るたび
新築の息子の家に吾の部屋が ラベンダー色のカーテンだけ好き
名家でも豪華な家でもないけれど世界で一番安らげる場所
家という一瞬だけは誰からの目もなくなってしまう空間
郷土史と家系図見比べ 図書館で 思い馳せるは悠久の歴史
少し前家族になった保護猫がわたしの膝であくびをしてる
実家出て一人暮らしを始めれば心にしみる親のありがたみ
眠くなり 家に帰ると 寂しさで 溢れる孫を 抱きしめる夜
縦長の長屋を指して田舎だと幼き子らの家が不思議で
家庭とは煩わしさと愛しさと
二度と戻れぬ追憶の中
整然となった売り家の窓奥で食器の音が滲む雨の日
廃村の古い家屋の痕跡は 住んでた人の昔の記憶
茅葺き(かやぶき)の小さき家より漏る光 蛍とまがふ夏の夜の夢
家族にも内緒のことを三毛猫に話してるのを子供に聞かれ
どたどたと ハヤテのごとき その音が
小さな笑顔と はなまる運ぶ
家を捨て都会の隅に隠れ住む街燈の灯をよぎる野良犬
鬼嫁と笑うくせして愛妻家
スマホの中に鬼ばかりいる
末娘修学旅行最終日
ソワソワしだす
家で待つパパ
親元を離れ三十年(みととせ)
わたしなり築いた家庭 まだ形変え
人家に猿の集団出没す野菜果実食い荒らす
足止めず肩の荷物をかけ直す角を曲がれば我が家の灯り
妻亡くばやらざるを得ず家の事しっちゃかめっちゃか手抜きだけれど
「家帰ろ」吾も吾子もインドア派
やはり一番 家が落ち着く
嗄(しわが)れた 隣家の老犬の遠吠え 風呂窓を伝う夜 切なき
ひらがなの練習か 民家の塀の 子どもの字で書かれた白い「あ」
解体後 影も形もない家屋 今年まで咲いていた梅の木も
家の中 片付けしても 意味なくて
すぐ散らかされ 元の木阿弥
優勝し嬉々とはしゃいだ君の顔我が家に残るトロフィー見るたび
新築の息子の家に吾の部屋が
ラベンダー色のカーテンだけ好き
名家でも豪華な家でもないけれど世界で一番安らげる場所
家という一瞬だけは誰からの目もなくなってしまう空間
郷土史と家系図見比べ 図書館で 思い馳せるは悠久の歴史
少し前家族になった保護猫がわたしの膝であくびをしてる
実家出て一人暮らしを始めれば心にしみる親のありがたみ
眠くなり 家に帰ると 寂しさで
溢れる孫を 抱きしめる夜