花楓

花楓

貸し借りの本の栞が色付いてめぐる季節をラミネートする

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花楓

忘らるる灯台の先降り立った鴎が奏でし友の旋律

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花楓

横恋慕諦めるんだと言い聞かせはやくはやくと荼毘に付すんだ

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花楓

卓上の近づく春を待ちぼうけ幼子の様にそっと手を振る

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花楓

一年で散る花みたいな恋でした言い訳すらも残さぬま

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花楓

スマホ手に部屋で呟く「帰りたい」通知音だけでつながるぼくら

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花楓

パソコンに向かい止まって数十分やけくそ気味の「あ」が並び立つ

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花楓

人生のタイムリミット教えてよ画面のあんたにキスをするから

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花楓

食べ頃を待たずにどうか摘み取って弱い重ねず今を愛して

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花楓

静物に成り果て佇む生物を奇麗と言って硝子に飾る

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