頃合いか席をはずそうさよならと新学期が始まらない前に
題『席』 にて
席譲る幼子ひざにまだ七十見栄は張りたし孫は抱きたし
題『席』 にて
いいですか恋の空席指さしてごっこで始まる青春賛歌
題『席』 にて
出席を切り取り返信イカル元カノそ知らぬ新婦
題『席』 にて
君のこともう忘れましたお顔なんて思い出すこともありませんの
題『忘』 にて
宿題を忘れて廊下の立ちん坊バケツの水の波紋観察
題『忘』 にて
あのことは忘れてねって意味ありげに甘噛みしてくる見られた猫
題『忘』 にて
富士の見得春めき桜忘れ雪ぶらり狩川南足柄
題『忘』 にて
駄作して研いで削って肉を削ぎなだめすかしてそれでも壊す
題『自由詠』 にて
うつせ貝すべてをあずけて今もまだあなたが胸に棲みつく夢
題『自由詠』 にて
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