ふくふくと果実の如きムスカリの青に呼び止めらる夕散歩
題『夕』 にて
晴れた日に黄色の雨靴嬉しそうに 履く幼な子のこだわり可愛く
題『雨』 にて
夫婦(ふたり)して今でも時に口にする 吾子らの可愛い言い間違え
題『間違い(テーマ詠)』 にて
一言で説明するのが難しい お国言葉にこもるニュアンス
題『方言(テーマ詠)』 にて
川決壊の報受け向かう父の背を祈り見送りし幼き日のこと
題『川』 にて
「幸せな一生でしたか?」確かめる術なく写真の母眺め居り
題『確』 にて
来し春は温いを超えて暑いほど さても季節はままならぬもの
題『ても』 にて
魔法の国いつか行きたやそれまでにハリポタ全巻読み直そうか
題『東京(テーマ詠)』 にて
しょうもない話で笑い転げてるそれも一つの幸せの形
題『形』 にて
昼食を果物だけで済ます吾を叱る友の居る有り難さ
題『食(テーマ詠)』 にて
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