お題 題『川』 お題 2024.04.05 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
ドブ川に投げ捨てられた自転車がチリンチリンと世界を呪う
散ってから旅が始まる花びらは海を目指して川下りゆく
川向こう入学式へ出る親子こころの中で拍手をおくる
夏休みキャンプ地の夜半いつまでも川のせせらぎ耳奥深く
この川で偶然君に会えたから一緒に海まで流れていこう
翡翠を初めて見たと吾子は言う日高の高麗の夏川涼し
清らかな昔遊びし里の川近寄る子らの影さへ見えず
熱烈に私に唇寄せてくるガラス越し水槽のカワニナ
薄い雲淡い空色足延ばす川面きらきら陽射し柔らか
川底の石に住みついた苔たちが小さく小さく波と踊る
川決壊の報受け向かう父の背を祈り見送りし幼き日のこと
川に来てひとりが余計濃くなって駅の方向気にかけている
川と海いつしか交じり合うようにあなたにそそげわたしの想い
「川」の字で寝ている親子いつの日か子が成長し親は「小」さく
この川を越えると東京に入るからね
立膝の弟を座らせる姉
懐かしき 川の名前と4大文明
テスト近しと 吾子唱え
人間が投げ捨ててゆく混沌を 川は浄化し海へと放つ
枯れ桜 川面の反射はきらきらとこの一瞬の花を咲かせて
鮎の放流始まる行く先は大河と知るか鮎達の群れ
暖かな川の辺りで穏やかな気持ちに銃を乱射する兵士
河川敷上級生と喧嘩してめっちゃ泣いためっちゃ泣いた
イエローの川の浮島るんるんとリボンなびかせ渡っているよ
川の底から眺めてるきらやかさ僕の背骨は魚になった
奔騰す 川筋瑆り ヒマラヤの 満月照らす 吾ここにあり