お題 題『海』 お題 2023.10.18 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
助手席に舞い込んで来た赤とんぼ 海へ行こうか満タンにして
「君と歩く波打ち際…」と詠んでみる海無し県に住んでるくせに
飛ぶかもめ空と海とを縫いあげてゆらりふわりと遊び戯れ
よし生きて海を超ゆるか鳥となり波濤となりて君に逢ひたし
内陸の 自宅で本を 読む私 美し過ぎる 海を見ている
秋桜の揺るる彼方に海ひらけて光待つごと君を想ひし
ドレッシングは皿に拡がる海になり鯛の刺身はカルパッチョへと
しばらくは何も出来ずに過ごしたね 大震災で海が壊れて
夫婦岩大注連縄で結ばれた海の鳥居を満月昇る
この川が海に流れてゆくように私も流れる無限の宙に
こっそりと聞けわだつみの声を読む十五の夏の反抗盛り
秋の海記憶ばかりが新しく死者は遠ざかる波音響く
想ふべき痛みもあらず引き潮は絖輝きて浜を洗へり
ほほづえをついてぼんやり秋の海焼けた素肌と焼け落ちた恋
海藻にまみれた波打ち際に居て
ロマンティックじゃないけど恋だ
老いることは未知への冒険羅針盤持たない未知への航海
君の瞳の向こうに青い海が見える君は誰を待ち続けてるの
夏の恋あちらこちらに捨てられてレクイエム騒ぐ秋の海辺
広い海あこがれつのる少年に「海なし県」の切ない響き
手を繋ぐ しっかり繋いで潜ってく 太宰なんかよりフカクフカク
素足ながく海にひたして揺らぎをり波の綾ごと我を忘れむ
絶え間なく争い波打つ
人の世を 抱いてあやす母なる海は
風は海の向こうから渡ってきたそぞろ歩きしたくなる風景
悲しみは海にもあって波になる陸地に着いて初めて泣ける
海恋したてがみ誇る馬のごと君は走りし崖へその先へ
我が為に流す涙を我は持たず涙見たいか海に入らむ
君逝きて誰も泣くことあらざりき美(うま)し男と誇りし君を
秋の海ヒールを手にしたおひとり様素足に夏が冷たかろ
海ゆかば 家持は生きていたあの昭和期に楽団つれて
ポコポコよ 泡が浮かんだ1シーン 嵐のような記憶の客観
若人よ海に空に風に太陽に輝いて飛び立とうよ