お題 自由詠 題「自由詠」 お題 2023.10.15 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
押し入れの中で寝ていたお布団をベランダに干し起こしてやった
突風に梢はわーっと騒ぎ出し木洩れ日たちはてんやわんやに
寝る前に言葉を探す5分間 歌のかけらを書き留め眠る
弱りゆく人の背中に手を触れても傷深ければ何も話せぬ
ひとつ手に取った途端にわたしから選ばれなかった玉ねぎの山
鋭角になってしまった母の腰 手押し車が砂利道をゆく
すき焼きの生卵ごと呑み込んであんな男は早く忘れろ
寂しさに 季節外れの 風鈴が 泣いているんだ 心の中で 239
めるへんに 語る恋子は 花農家 パパ猫遊ぶ 猫背の犬と ???
足元のクローバー 僕に 幸せは身近にあると 教えてくれた
なぜかしら ふと口ずさみ涙ぐむ 胸に流れる浜辺の歌に
いつかまた あなたが埋めて くれるかな わたしの中に あいてる穴を
人間は 偉くなれば なるほどに 他人の痛みに 気づかぬらしい 238
お願いだ ただ、側にいて ほしいだけ 何も言わずに 何も聞かずに 236
やり方も答えも解決策だって一つじゃないぞ道はまだある
懸命に 地面をつつく すずめたち 落穂拾いの 名画のごとく
朝早い人影もない公園でケヤキの老樹としばし語らう
目の焦点捨ててぼうっとしてるとき心の水面に波が生まれる
台風や 猛暑に耐えた 野菜たち 八百屋に並ぶ表彰台に
故郷の新聞ついつい読んでいる 届きし荷物の緩衝材の
神さまはヒントを全然隠してない気づくかどうかは僕にゆだねる
不安だな 貴方のことを 呼ぶ声に 余計なものが 混じってないか
少しだけ飲んで帰ろう雨上がる商店街を歩いたあとに
過ぎ去りし 出会いの海は 偶然に 別れの雪は 必然的に 241
秋冬は憂愁ありて息詰まる 湖の底 落ちていくよな
12時の 恋はみずいろ 流れると 隣の犬が つられて歌う
人は皆 考えぬように してるだけ いずれ逝くこと 死への旅立ち 240
姿見に無言の笑い衣更えボタンよ飛ぶな縫い目も軋む
あやとりをしているようなおさな恋お山のもみじも色なすあや
カツカツと音する靴で歩いてみよう背筋を伸ばして 老いてたまるか
サイダーのよな爽やかな濃いコーヒーのよな苦い一言でいい
君の声君の笑顔は何よりも淋しさに効く薬なんだよ
黄昏に ぽかりと三日月 浮かんでた ちょっぴり疲れが 癒されたかも
黄昏の光は人の肩に降る おつかれさまと優しくなでる
シュークリームいっきに5つ食べるゆえ逆三角形の男になれず
青春は 深夜のラジオ イヤホンに 投稿ハガキ カセットテープ 226
お向かいのてるてる坊主が風に揺れ秋晴れだぞとドヤ顔してる
あったかく平和な布団から出たくないそんなセカイに住んでる幸せ
人様の 短歌、肴に グイグイと 下戸の私が 酔いしれる夜 224
雨上がり陽射しに光る雫たち葉っぱの宿からもうすぐ旅立つ
床を這う子蜘蛛にすればリビングは白き大地であるのだろうか
老眼か 文字が小さく 見えなくて 眼鏡をかけて うたを読んでる
軒の風化粧ほどこす吊るし柿ねんねんころりと秋風鈴
そぞろ歌詠めど読んでも首傾げ畔にのたうつ刈り田の案山子
外苑の銀杏並木はほんのりと秋の予感の未完の美観
君の中キラキラ輝く光はね君が守るの大事に大事に
ずらり人 予約の時間 とうに過ぎ しびれ切らして 吠える窓口
心がね 貴女が消えて 死んだんだ 抜け殻だけが 風に揺蕩う 235
携帯を充電しつつ床に就く 共に明日も頑張るために
評価など 気にはしないと 気にしてる 素人短歌 人間らしい 232