お題 題『色を詠み込んで』 お題 2023.11.12 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
雲ひとつないのは嘘になりそうで空の写真に入れる灰色
まな板に置かれたままの柿の実が夕焼け色の光を放つ
山門の赤き仁王が睨みおり心の薄闇見透かすようだ
幼子にされるがままの黒猫は迷惑そうな顔をしながら
空に雲ヴェール重なりすみれ色そっと居させて夜の手前に
夕焼けは火星だと青色らしい、さよならを言いそびれそうだね
水色に白とグレーと薄ピンク 夕焼け空の反対側
道化師の パントマイムは 赤や青 化粧の裏に 苦悩を隠し
木枯らしに全て吹き飛ぶさまざまの
色とりどりの思い出たちよ
カラスウリ苅田の畦道遠くまで歩いて見つけた赤い夕焼け
異国から働きに来た青年の瞳 銀河で満たされた黒
通勤の足どり重く思う朝 赤信号にホッと立ち止まる
アパートのわずかな地面植えられた三色すみれ清らかに咲く
チャーハンにパプリカ三種刻み入れきらいをだますあまい罠かけ
艶玉の 我が心中を 見透かせる
桝花色の 空に沈む日
ひと時に燃えて盛るるもみぢ葉の
ように散り落つ長々の恋
霜月に実らぬ恋を思い知り
共に燃えよと紅蓮のもみぢ葉
青空の下ツーリングのライダー達私も一緒に連れていって
元気色アワダチソウの隙間から伸びたススキが風になびいて
紅葉葉がさやかに誘う色っぽく 会いに行きたし山路分け入り
いたずらに自分の色を極めれば天然の色甚く深まる
手鏡にくちびる映して色をひく手櫛の乱れ赤き恥じらい
もみじ葉のさざ波照らす月明り妖しき艶に恋ぞ色めく
アルバムに青いインクの母の文字清く正しく美しくあれ
花の蜜吸ってごらんとつつじ取り口にくわえた赤い花びら
口紅を引いて町へ出かけよういくつになっても女は女
木枯らしに枝葉揺らして待つ春のつぼみの色を夢見てねむる
マジョみたい、って笑ってホウキに跨った そのムラサキが忘れられない
休暇中社長夜逃げの連絡が 蒼くなってた働き盛り
歌詠みもあなたに染まれば艶もなく白いカラスや黒い白鳥
ともだちが教えてくれた不思議な実薄紅のつぶザクロ手にする
男女らしさより自分らしさいろんな色で輝ける世界に
思い出はセピアでいいと彩色のなにか失うデジタル技術
そちらともおなじ色した冬隣りなのに心は余色のふたり
無色とは真白き壁に禅組めば頭が白くぼやけゆく