来ないのを知っていたけどヤドリギの下で待ってた百年先も
題『来』 にて
気がついてくれよと願う足取りがいつもの三分の一なこと
題『気』 にて
飛び去った蝶の鱗粉指先についたのなめた 塩辛かった
題『粉』 にて
写経するようにあなたの輪郭をなぞることだけぼくにはできた
題『経』 にて
そのあとに残ったあらゆるがらくたがきみの人生そのものだった
題『あと』 にて
大気圏の中で何かが起こっても地球は丸いままそこにある
題『地』 にて
やり場のない涙をつめた瓶だから海に投げても沈むばかりだ
題『瓶』 にて
風速17メートルを超えた日にぼくはきみに出会ってしまった
題『風』 にて
持つべきは友だと昔の人も言う それは正しいいまのところは
題『持』 にて
花になるように地面に脚を埋め雨はまだかと空を見ていた
題『花』 にて
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