誰と誰付き合ってるとかどうでもいい噂話を耳だけで聞く
題『話』 にて
今日もまた車輪に蜘蛛がとまるから会社へ連れて行くぐーるぐると
題『から』 にて
一本の線の上大事に歩く八月六日に連なる線を
題『記念日(テーマ詠)』 にて
雨粒を湛えた酸葉が空を指しほら晴れたよとジジミチョウ呼ぶ
題『ほら』 にて
我がために折った姿が目に浮かぶ羽の不揃いな鶴の群れ
題『もらったもの(テーマ詠)』 にて
我が内の好きを数えて少しだけ幸せになる雨の朝でも
題『好き』 にて
次に会う保証などなかったと探す最後の笑顔を歪む遺影に
題『さよなら(テーマ詠)』 にて
全身の力を込めてしがみつく蜘蛛自転車に乗せ出社する
題『車』 にて
難しき知恵の輪のような確執を解くの諦め放り投げてる
題『知』 にて
憂鬱な月曜朝の雨深く海の藻のごと揺れる乗客
題『自由詠』 にて
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