お題 題詠 題『夜』 お題 2023.10.12 ・お題にあった作品のご投稿をよろしくお願いいたします。・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
十回目のナースコールにひたひたと夜と朝との隙間を歩く
ふうせんは青空めがけ翔んで行く夜になったら星になるため
夜に還る星たちに手を振るように始発のすぎた踏切は開く
シトシトと降り出した雨0時前 僕の代わりに泣いてくれる夜
暗闇に押し潰された月を見て目をそらせずにかじるLチキ
鏡台に映る自分がどことなく遠い目をしていて 青い夜
感性を磨く夜鍋の具材には己が血肉の脳みそ煮込み
星のない都会が恐ろしかったからあの日の君は眩しかったの
どんなに辛い夜でも朝は来る素知らぬ顔を知てやって来る
深夜二時おとのないおとききながらあすの現実まだまだ遠く
子守り唄歌わないでと怒られた いつか部屋にも入れなくなる?
藍色のロングドレスの夜が来てスパンコールの星屑降らす
真夜中に 部屋で一人で 短歌詠む 詠み人たちを 思い浮かべて 202
さびしさに浸っていたくて夜の蟲かまってほしくてことばを哭かす
ばかばかし昨夜の恋は気の迷いうぬぼれ同士の場末のホテル
儚いと書いて重ねた恋心あなたに届けと駆け出す夢夜
1日の終わりに浮かぶあの笑顔 わからぬ気持ち眠れない
星空をふと見上げればその姿 懐かしく見る勇者オリオン
新妻の寝乱れ髪の恥ずかしく問わず語りの夜化粧落とし
秋の夜に遅れてきたと侘びを入れ冷えは苦手と足袋はく幽霊
いやらしいあの人が来る夜が好きひとつ枕の蠢く官能
さ迷えば落とした恋や月明り神社の闇に釘打つ音の
頬伝う 星の雫に 月の影 路傍の夢に 静哭の風 203
午前二時 眠れないまま天井を ぼーっと眺めていたのは夢か?
「おやすみ」と「おはよう」の間に目が覚めてしまった イマはまだヨルですか?
帰り道 冬の足音と 二人きり お鍋の材料 買ってホクホク