お題 題『風』 お題 2023.10.23 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
たんぽぽであれば恋などしなくても風に命を託せるものを
公園の落ちたばかりの葉が風に乗る練習を繰り返している
傷つきし心の中に吹く風は谷底で聞く二胡の音なり
風に乗る六時の寺の鐘を聞く きっと百年つづく情景
指先の君に感じたすきま風季節が変わる別れが似合う
晴れた日にオレンジの蝶ひらひらと枯れ葉舞うよに風のゆくみち
ふと聞いた誰かの言葉に救われる 誰かが誰かの知らぬ間に風
冬の夜の風に誘われ脚を出す 冷たい世界に守られていたい
街道の家並みのあなた青空に夏は去り行き風のみぞ吹く
明かされぬ想ひのあれば紅葉葉の光る風にも蒼の揺らげり
ぶらんこをひとり占めして老いの秋風はピエロのため息吐息
夕暮れにカレーの匂い通り過ぎ人の想いも風は運ぶよ
束の間の雨に心の針止めて風に吹かれる1番出口
潮風に髪をなびかす少女らの眺める果てに波は重なり
風を読み恋の行方を風に訊く迷い道には木枯らし荒れて
風薫り 舞ひて散りぬる 山吹を 夜にならべむ 君の簪
凪の空なないろの風舞い上がり陽に照らされたコスモス畑
あなたから吹いてくる風さわやかで身をまかせてる瞳をとじて
ある本のあるページに掲載の便りが届き秋麗の風
柔らかな福耳のことが好きなんです 冷たい風が吹くと尚更
「私になるな」とそんな文字に万人が触れた夕秋の風、風。
ファッションの一歩先行くリーダーに歩調合せて秋の風切る
ゆびを舐め風を探れど見る夢はひとり上手の下手なちぎり絵
風に乗り雲にまたがり万神神有月の神の揉めごと
明日には追い風吹くとそう信じ 今のところは煙草1本
デラシネと彼は言ひしか風のままいづくにゆくか我が身かなしき
抗わず波風立てずふんわりと漂うような人になりたい
風は目に見えないけれど国境を越え人種壁を越えていく
風になり空を吹き渡りながら復興した松原見たい
川面を風が静かに吹き抜けていく旅立つ君を僕は見送る
風が君との思い出消すようにやがて来る夏の日を考える
晩秋の舗道駆け抜けつむじ風葉っぱ舞い踊る悟空が見えた
「幸せになれますように」風よ、この主語なき祈りを汲んであげてよ
風流を求めてぶらり紅葉狩り一句捻ろうか言葉狩る野暮
凪のそら なないろの風舞い上がりコスモス畑 陽に照らされて
風は気紛れ明日は明日の風が吹くさよならだけが人生
アレの風六甲おろしか虎落笛浪花男のボチボチでんなァ
風の中で結婚したいと呟いて顔を背けた彼は亡き人