お題 自由詠 題『自由詠』 お題 2023.10.22 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
辛いとか 苦しいとかを 口にせず 「よかった よかった」 繰り返す母
土曜日と日曜日との境目の 夜の時間の穏やかなこと
雪が舞う珍しいねと君が言う其れが最後の君の言の葉
冷めた恋 見つめ合えないコンビニで 「温めますか?」とレジの中から
色づいてコキアに気づく散歩道 春からずっとそこにいたのね
靴履けば私も連れて行ってよと歌があとから追いかけてくる
万人に共感される歌よりも貴方のための歌を詠みたい
公園の電話ボックスは隅っこで誰か来るのをじっと待ってる
真夏からずっと咲いてた百日紅 秋の慈愛の風に散りゆく
熱気球 見上げる母はあどけない少女のような顔をしていた
難しくて指が泣くほど痛くてもチェロも音符も私に優しい
それぞれの人が紡いだ言の葉よ千年のちへ続けと願う
野の花が私に笑いかけてるの 何でもないよ なんでもないよ
始まりはモォツアルトだ小夜曲の調べに揺れた君の黒髪
このカラダいつかは朽ちる でもココロ消えずに永遠(とわ)に貴方を想う
故郷の言葉が交ざる段々と幼馴染みと新宿の空
何話そう君に会うのは九年ぶり窓の景色がそぞろに流れる
吾亦紅これは花かと問われしを見てごらん感謝の花言葉
星流れ眠りにつこうとする時に生まれでてくる歌の子たちよ
右足でペダル踏みこむ やわらかな日差しと風が通り抜けてく
飛び込んで三十一文字自由形いかに魅せるか詠力競う
変わらない三十一文字が広間にも三畳間にも感じたりする
ハロウィンのTrick or Treatって、なんてかわいい小さな悪魔
寒い夜月の光と泣いた君 私の前で初めて泣いた
雨が降る何も言わずに君は行く言葉残さず影も残さず
風が吹く君の瞳に映るのは見えない星か消えない人か
いつだって私のそばには神さまが温かい目で見守っている
眠れずに投稿サイト彷徨えば似たもの同士触れ合う歌よ
鈴懸の枯葉ゆうらり舞い落ちて見送る葉影弔い揺れる
人は人認めて手放せ距離感がうまく取れない自分のために
タスキかけ黄色い旗を振っていた変わらぬ笑顔いつしか杖を
青き星光を受けて風越こし雨を降らせば緑豊かに
行く秋の冷気の悪戯首すくめ急を驚く襟のタグにも
君と俺どちらが悪い訳じゃない 違う景色を見ていただけさ
晒し者よ恋もいじめも裏切りもいっさい嘆きは見たくない
君は私を悲しませて楽しいか雪は私の名前と知って
恋ひ恋ひて稀にも逢へぬ夢の夜にせめて愛しき言つくしよ
学び舎を巣立つ寂しさいかほどか 溢れる涙のアルキメデス
深く長い考えごとのあいだ中 何を見てたの今を見ないで
規格外 訳あり野菜に罪はなし 外れは個性 個性に価値あり
十六でお嫁に行った同級生 いま満面に笑みのばあ様
不夜城の人込みを避け裏通り寄り添う影に静哭の風
不夜城の人混みまぎれ当てもなく彷徨える影きえていく星
紅黄葉終の季かざり冬隣り眠りにつけば恋する旅路
短歌とは詰まるところは感性だ感じられるか感じさせたい
一杯の水に乏しい被災地を思えば流しっぱなしの栓を止め
こたつではみかんのやまがうたた寝し風邪ひかぬよう毛布をかけて
いつかする もうすぐやろうと言いつつも 1年過ぎた押入れ片付け
人生にある幾つかの分岐点そして私は此処にいる
風船にさよならされたおさな子の青空うつす瞳はぬれて