お題 テーマ詠 題『冬(テーマ詠)』 お題 2023.12.03 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
帰宅する息子に付いて来た冬が暖かい部屋でゆっくり溶ける
不織布のマスクを外す 吐く息の白さが見せる冬の輪郭
くしゃみする君はいないがかまくらを今年も作り良くできた 泣く
着々とこたつ周りに生活がつどい春までアナグマと化す
冬はそう「優しくない」の一言で今日も落ち葉が頭上にふわり
冬のなか暖かき陽が射し込む日 第九が響く熱き合唱
こんな日はスープがいいねと声がするどんな顔して返事しようか
トゲトゲが胸の中にあるけれどこぼれた息は白くて綺麗
あのへんでゆらゆらしているのわかる?11月の置き手紙だよ
冬はやだ、心細くて。遠い日の母のつぶやき思い出す朝
日曜はスノードームに入り込み異国の街で粉雪見上げる
降り止まぬ 雪に心を 奪われて このまま生きて 行けそうにない
冬だから楽しいこともあるかもね
明るい色が見つかるはずだよ
長旅を終えて白鳥落ち着けば温もり求め人は寄り添う
シャキシャキと寝ぐせ頭で水菜きり
時計目で追い湯気に手かざす
赤い花 目で暖を取る 冬の日に 盛りなりけり さざんかの花
缶コーヒー添えた指先の赤みとかささくれとかで君を好きだと
干し柿や 昔はタダで もらってた 母が嬉々とし 食べていた冬
冬の影 月も独りで 寂しくて 帰らぬ人に 別れを告げて
泡沫の 出逢いに別れは つきもので 秋が終われば 冬が来るように
健気にも凛として咲くバラ三輪 冬木枯らしの吹きすさぶ中
凍てる夜でも月は輝き星は瞬く心に灯燈す
すれちがうトイプードルがふるえてる君もしかして発電してる?
冬になり温もり求める誰も皆身体だけじゃなく心の中も
虫の声気づけば絶えて街灯を頼りに帰る北風の町
浮き立った街で囁く愛は薄い クリスマスなんて僕を刺すだけ
サボテンが花壇で葉閉じ水を待つ寒くないかと陽の中如雨露(じょうろ)
裸木の媚びも売らずに冬木立鋭き足音虚空とらえて
聴き慣れたくしゃみ爆破で引き返すこの世界線つま先凍る
凍てつく夜 心が欲しいと 君は泣く 彼奴の心が 欲しいと泣く夜
冬が舞う 二人の別れ 無言劇 悲劇と喜劇 幕が下りる夜
鍋の中四季が混ざって今はいつ?私が掴む箸の先冬
狂おしく句読点欲しくてざわめいて恋の蹉跌と冬の旅へと
冬が好き恋の刃が冴えるからわたしを守る氷の刃
風に乗り「次の砂漠」の音が聞こえ置きっぱなしのポリタンク拭う
冬の朝嫌われものの哭くカラス勤め人は黙々と駅へ
三時には自然と集まりトランプの具合もチェック大掃除なり
淡き恋あなたの心は冬ですか百人一首に見つけたわたし