お題 題『電』 お題 2024.01.14 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
多摩川を渡る電車は助走して夕焼け空に飛び込んでゆく
バッテリー切れた体が充電を探して辿り着いた吾子の頬
雪原をゆくり電車で旅したい君の想い出道づれにして
帰宅後の未読メールに怯えつつ電源入れる朝のパソコン
火星から届く電波に従って逆走する高速道路に雪
電線を蹴って飛び立つムクドリは皆の待ってる寝ぐらへ帰るか
稲妻が電光石火で駆け抜けた 初めて君を見た教室で
太陽光発電パネルが整然と並ぶ田んぼの跡地にたたずむ
君と乗る約束をした江ノ電は夕陽をあびて明日へ走る
電話越し一際元気な君の声「何かあったの?僕に教えて?」
親元離れし頃公衆電話向こうに懐かし家族の声
君を乗せた電車が遠くなるほどに
我の心は軋みていたり
みじん切りするたびどこか電流が来てくちびるを噛み締めている
昼間だけ明るく光る部下の俺夜は光らぬ瀕死の電球
電車待つホームで泣いてる人がいる気付かぬふりして月も隠れて
手のひらのスマホが重いあの人に電話しないと終わらないこと
トンツーと電鍵叩く剥き出しの真空管に神秘の灯る
君の声忘れる前に電話する 声から忘れてしまうらしいから
電飾で塗り潰された地表写真
それでも地球は未だ青いのか・・
電気代値上がりしても便利さを求めて今日も家電屋へ行く
窓に雪裸電燈三畳間べニヤの壁の白黒写真
新人のデビュー来たり初打席電撃的なサヨナラ打席
あのせいで君の体温奪われる
電池の切れた人形のように
停電に加え断水に見舞われる被災地復興応援しよう
知らねえよわっかんねえよわかんねえ廊下の受話器死ぬほど重い