お題 題『自由詠』 お題 2024.03.01 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
三つ編みをそっとほぐしてゆきながら恋が終わってゆくこと知る
遅くまで寝付けず眠い雨の朝濃いめのコーヒー二杯飲み干す
ねことぶたとかえるの三つの箸置きはいつも一緒にあの頃のまま
タンメンとタンタンメンを間違えて野菜摂れずに汗だくになり
食洗機からローザンヌコンクールバレエのように食器を戻す
迷いなく飛行機雲が引いてゆく冬と春の間に白線
失恋を見事に引きずる証明に深夜一時を二十五時と言う
雨垂れがぽつぽつ聞こえる家に住み沢庵ぽりぽり齧る幸せ
川沿いの道を歩けばひらひらと君の黒髪さくら舞いおりて
カレンダー二月の紙を剥ぎ取ってハサミで切ってメモ用紙にする
麻痺あるも調子外すも妹は「なごり雪」歌う体揺らして
だんじりの中でカレーを食べたので福神漬けが飛び散っている
早朝の揺れで起こされ目が冴えて頭をよぎる過去の震災
南から仕事に来た彼のスマホには青い海と10頭の犬
常識と普通に火を点け持ち寄った色とりどりのマシュマロを焼く
出会ったのは生地はイタリアというコート着れば身長5ミリ高くなる
またひとつ遠き日の恋憑依して黄泉の道連れ思い出不倫
考えるよりも鉛筆転がしたマークシートは運が肝心
うたの種ぽつりぽつりと浮かぶ午後 一首詠んだらうたた寝をする
「頑張れ」の代わりに使えるものの名を教えておくれ元気にしたい
(ちょっと外出します)
乗り越えた先美しい景色広がる過ぎ去っていく風になる
しょうもない短歌散らしたその中にたまにキラリと絵心咲いて
日本人(イルボニン)の役はすべて韓流が演じるドラマのざ行のざわめき
淡き春あれからの君ふと思う近頃なぜかとても気にかかる
やや寒も窓打つ風の春便りやばくねえだって恋の胸騒ぎ
母の雛女房の雛と子の雛とお供省略桃のリビング
犬と人どちらが主人かわからない早朝の路上糞そうじ
「結婚した」新聞たちが止まらない黒字と活気つれたヒーロー
おまえにも花を手向けていつか皆変わっていくと口ずさむんだ
青春の恋は残酷彼がだって平気で告げる自由が嫌い
あのねのね恋がつまづきジャンケンポンあいこでしょだって別れるくせに
散歩中大豪邸の表札を確認するや金持ちの名を
少女は大人になりたがる
少年は大人になりきれず
二人の恋は
泡沫の夢と幻、玉響の泡と影