お題 題『口』 お題 2024.03.20 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
その人の名前を口にするたびにわたしの中の春がこぼれる
悲しみの電車をやっと降りた駅 改札口で春が待ってた
饅頭を 月に重ねて しばし見て 一口かぶり 三日月にする
非常口 心に設置していてね いつでも脱出できますように
今春に初めて聞いた「ホーホケキョ」口笛吹いて我もご挨拶
口紅はもう3年は買ってないマスクは必須アイテムとなり
青森産牛蒡の切り口から届く冷たく深い土の香りが
誰一人口火を切らぬミーティング善後策への道筋見えず
君の口からさらりと流れるありがとう、頑固な私はうん、とだけ
さよならとあなたが言ったその口の静かな動き今も忘れぬ
丁寧にお出汁を取った味噌汁の味見ひと口至福の瞬間
トランプを口から出せる人と行き一度もトランプをしなかった旅行
口癖は「何かいいことないかな」と「早くおうちに帰りたい」です
その言葉 鮮度を保って輸送する
他を介さず口から口へ
寝ぼけ顔ターンテーブル廻り出し吐き出し口の未来みつめる
誰に似た二重瞼におちょぼ口可愛い孫の顔見て思う
口紅の色を変えて出かけよう心も明るくなるように
口に戸を立てたつもりのすきま風漏れ伝わると書き立てられて
口に手を当ててうふふと笑う子の横でガハハと笑う我が子
仲直りその糸口を探してる君もそうなの?そうだといいな
ひび割れたくちびるに歌溶けてゆくあなたの声でなくてはならぬ
チャックする手振りもついて口閉じる幼き君も今や父親
口紅を 指につけては 唇に つける仕草を 頬赤らめて
口にして偲ぶふるさと遠き日の酔えばついついあの子守唄
とろうりと口溶けのよい言の葉であなたの心掴んでみたい
口封じされてさまよう影ひとつ華やぐ街の片隅をゆく
口髭が立派な明治の男たちそれに比べてガキくさき我
口あけて影も毒蛇も飲み干して ブラックホール破裂したとき
猫さんも お口が笑う ときがある たのしいのかニャ? かがやくお目々