お題 題『路』 お題 2024.02.22 ・投稿期間はお題発表から5日間！・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
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一度だけ母と歩いた通学路二人で摘んだタンポポの花
生きること厳しい味も思い知り五十路に咲いた小さな花よ
別れ路 誰かが落とした 言の葉が 気づく人なく 花風に消ゆ
落ち葉踏み心ゆるりと歩む路哲学者にでもなった気分で
誇り高い水路生まれのザリガニがいつも威嚇し家族にならない
路地裏の室外機にも日が当たり飛び乗った猫腰落ち着ける
四十路からが女ってシャネルが言ってた励まされて今日も生きます
真夜中の濡れた路面に照らされる見知らぬ街と靴先ひとり
往路での逆転劇に感化されすごい速さで食い逃げが走る
路地裏の日も当たらない場所に咲く陽だまり恋し君影の花
「あと一度、故郷に帰れる日が来るか」祖母が眺むる滑走路
路面よりアスファルト熱も冷ややかも手を当てて転がって感じて
坂道の 路傍の影に ひっそりと 鈴蘭の花 聖母の涙
今曲がり角に来ているのだそれでも路は続いていく
乗り方のわからぬものがまだあった路面電車のホームの大人
この路地はどこにも繋がってないのだからやすむのにちょうどいいよね
ハラハラと路上に落ちる言葉たち
行き交う背中ネオンに揺れて
あの路はどこで消えたんだろいつかまたトトロに会える？
老いぼれが佇む裏の小路には春芝居打つ冬の残党
ここからは侵入禁止迂回して 私の中の道路標識
暗がりに佇んでいる 繋がりが見えない路地の冷たい光
標なき路を歩いて我は行く侵入禁止何するものと （アンサーソングです）
去年秋君と訪ねた北陸路年明けてすぐ大震災に
蕗の山路辿れば終むかえ吾も間なしよままよままよ