2021-10-15

とみた律

伏線が気になる本をめくるたび夜が静かに加速していく

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とみた律

古本に誰かが引いた青色の蛍光線に晴れ上がる空

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とみた律

波音を覚えたスーツケースから抱えきれない夏の想い出

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とみた律

花束を持つ青年とすれ違う誰かを思ふ春色の風

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とみた律

もう君は立つことのないキッチンに消えることないまな板の傷

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とみた律

砂浜で高く手を振る君を見てまた泳ぎだすより遠くまで

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とみた律

終電を逃した後の世界では意味を持たない僕らの言葉

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とみた律

靴紐を結び直して来た駅と違う駅から地下鉄に乗る

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とみた律

終わらない夏の出口を探しつつ溶けるのを待つハーゲンダッツ

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とみた律

江ノ島を眺めるだけの人もいて知らないことが多い人生

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