お題 題『文房具(テーマ詠)』 お題 2024.02.04 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
心には付箋がぺたぺた増えてゆく忘れたくない出来事たちの
公園の ベンチにひと色 クレヨンが 忘れ去られた 秋の夕暮れ
初めての万年筆は就職の記念インクは空色にする
悔やんでるしちゃった事のあれやこれ消せる消しゴムあればいいのに
まず紙とシャーペン一本用意して心書き出す我はアナログ
シャーペンをくるくるさせて飛んでってそのまま空に消えた初恋
赤青鉛筆の青みたいなぼくらがひとつの部屋に集められてる
コンパスでえんを描くよいつの日かあなたのえんと重なるように
新品の色鉛筆は十二色 母と楽しむ「大人の塗り絵」
夕焼けがあんまり綺麗だったから 切り取り貼ったスケッチブック
歩いては書きまた歩く何回も 短歌の種は青のノートに
「新しい発明書ける消しゴムさ」「それえんぴつでいいんじゃないか」
弟が 絵の具で描いた 故郷の 景色追いかけ バスが行く夜
木炭でデッサンしてみたコッペパン消さずにぼかす割とヤルじゃん
少し滲んだインクの跡は記された言葉よりも饒舌で
ドイツ製鉛筆削りで尖らせた2Bで書く勝手な手紙
気に入りの使い込んでたボールペン失くした後の替芯の束
消しゴムは消す役目消すってことを一所懸命やる役目
スマホでメール送るよりペンで手紙書く温もり伝う
ボールペン0.38㎜と0.7㎜の使い分けリモートワークでメリハリつけて
立春に能登の春はお預けと絵手紙寄こす避難所にてと
※昭和のおまじない
消ゴムにあの子の名前書き込んで
使いきったら恋が実ると
真っ白い紙と鉛筆 消しゴムがあれば私は時を忘れる
君がその場所でブレずに立っているだから私は円を描ける
ヘタウマと言われ喜ぶ幼き日 初めての筆「正月」の文字
脳トレの鉛筆十本削ってる 脳トレ趣味の母九十五歳
二Bの鉛筆で描くガーベラに そっと置いてる絵の具の朱色
コンパスも三角定規も分度器も
使わず過ごすオッサンの日々
しずちゃんとの心の距離を測る定規 ねぇドラえもん早く出してよぉ
ぎょうにんべんだけあらかじめ書いておく 漢字ドリルの午後六時すぎ
100センチの定規を片手にぶら下げてこれは刀と思って歩く
授業中 綺麗な横顔 埋まらぬ問 落としたペンと 恋の訪れ
角の円い消しゴム(モノの消しゴム)を転がしてくしゃと笑う君かな
君の名を五回唱えてノートに書く 折れたシャーペンの芯のひとかけ
君想いノートに書いた言の葉は誰に見られることなく消える
インクだけ買いに行くのは寂しいや僕は精液の出ないペンで