お題 題『花の名前を読み込んで』 お題 2024.02.02 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
ホームレス支援の雑誌売る人の足元に咲くタンポポの花
火葬した子の骨に付く花びらはデルフィニウムの美しい青
はらはらと落ちてくるのが桜ではなくてごめんと梅の花びら
チューリップ絵筆の如き蕾から春のキャンバス色とりどりに
桜草すぐそこにある哀しみの名前を教えて消えゆく前に
摘み取ったキュウリの雄花を持ちながら、どの子がタイプか、コソコソばなし。
誰か来し月夜に揺れる栗の花もしや君かと心乱るる
紅梅の薄紅色に頬染めて走ってきたのママを目指して
返せずにいるハンカチ刺繍のたんぽぽが蘇らせる苦い初恋
雪帽子かぶりて少し恥ずかしげ 赤い椿はさらに赤らむ
子の背丈ひまわりにまた近づいて、入道雲が写真に映る
かすみ草光の粒のように咲き花束に華添えて輝く
フリージア名前を聞いて浮かぶのは花の香りと君の横顔
ジキタリス劇薬と知り鐘型の花の奥を恐る恐る覗く
杉の花実に目立たぬ花なれど国中揃い すわ、大騒ぎ
話題呼ぶシンポジウムの会場にシンビジウムの鉢植え並ぶ
落ち込んでいるのではなくスズランの真似ですよこのうつむき方は
思い出のカサブランカ買いました線香消して匂い纏います
居座りて何思ふかな名残雪すみれ待ちたる友のごとくに
めぐりゆく君いない日々ひらひらと想い抱き寄せ舞い散る桜
まっ白なカーネーションを手に君が信じていない輪廻転生(リインカーネーション)
寒中に花を咲かせて春を呼ぶ今年も咲いた庭の白梅
薔薇は女王桜は姫君美しさ競い合いて咲き誇らん
さようなら偲ぶる人は儚くて桜流しの雨に消えゆく
冬衣襟をそばだて散歩道雪割草のおしくらまんじゅう
君待てど逸れし月夜の冬の薔薇約束せりは夢かうつつか
藤色の着物は亡き祖母のもの私似合ってるかな?おばあちゃん
ふんわりと百合の蕾がほどけたら摘むと小さく音が聞こえた
パッとしない私でも悩まずに私の理想アルストロメリア
赤い実にすべてをかけて咲く黄色いトマトの花は忘れられても
薔薇つみて君に届けむ我が想ひ夜は短し月ぞ恨めし
「好きなんだ」と言った日からまたガーベラと帰宅する花知らぬ人
ひそやかに桜蕊ふる春の夜はなぜだか浮かぶ君の笑顔が
散るもよし男の意地か肥後椿おなご山茶花はらはらはらと
開店祝い気持ちでいいよ言うわ彼真心こめてファレノ贈る
結界の四方四季の庭の西の紅曼殊沙華妖艶に群れ