2021-11-22

袴田朱夏

アイロンをゆっくりかける 雨の日は生きるかたちをすこし気にする

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今紺しだ

部長の目に浮かぶ涙も音楽室という光の一部になった

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今紺しだ

いい風だね、君が笑って「ね」のとこで街の、私の、重力が消える

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今紺しだ

ピロティーの風を好きだとはにかんだ論敵きみは敵ではなかった

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今紺しだ

ランドセルの彼が置き傘一本で倒してくれた透明な敵

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今紺しだ

栞紐は昨日のままにしておこう「待たせた?」の声に閉じたページで

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今紺しだ

親指が画面にふれる面積は君が世界にふれる面積

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今紺しだ

展示室8で来世の君を待とう滅びた「ヒト」の剥製として

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今紺しだ

その笑みは、甘い言葉は、不平等条約を突き付けるつもりか

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今紺しだ

走るとき君のことばは過去からの追っ手に向けて投げる爆弾

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