2021-12-19

柔らかい時計

夏空を撫づように凪ぐ椰子の葉の隙間から落つ僕の片恋

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柔らかい時計

陰と影 違いを描けば手のひらと木炭紙へと降る黒い雪

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柔らかい時計

帰る背を追ひたき日にも空腹で待つ子を思ひあの角を見ゆ

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柔らかい時計

子に添ひて眠らば迫る検査日の憂ひをひととき忘れてしまふ

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柔らかい時計

くれなゐの頬のあなたの空遠くあまたの名を持つ曼珠沙華咲く

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鈴木精良

手づかみでゆるされていた頃があり、崩すピンクのバターケーキを

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ひーろ

番犬に番犬らしく吠えられてわたしはわたしらしくのけぞる

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茶熊さえこ

混濁のミロ-オレくるりとかきまぜてやさしいときをつづらおり

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小金森まき

セーターを脱ぐときにだけ現れるお疲れ気味のライオンがいる

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